追加ハードウェアを使って、スマートフォンでできることを増やそうとするプロダクトは、いろいろなものが出ている。しかしそんな中でもスマートフォンを顕微鏡にしてしまうこのKickstarterプロジェクトは非常に面白いものと言えるのではなかろうか。微生物の動きをリアルタイムで録画することもできるし、簡単に画像や動画をソーシャルネットワークで共有できる(ひとりで楽しみたい人は、もちろんそうすれば良い)。顕微鏡写真をシェアするなんて、タイムライン上で人気者になることは確実なのではなかろうか。
このMicrobeScopeプロジェクトは終了までの日数をまだ20日以上残しながら、Kickstarterでの調達目標である1万ドルのほぼ5倍にあたる額を集めている(本稿訳出時現在)。MicrobeScopeのマウントを使ってiPhoneないしその他のスマートフォンを接続して、微細な生物などをムービーにおさめることができるのだ。
顕微鏡部本体は800倍の固定倍率となっていて、バクテリアなどサブミクロンレベルでの観察を行うことができる(スマートフォン側のズーム機能を使って、2000倍まで倍率をあげて、回折限界レベルの観察を行うこともできる)。
尚、顕微鏡は倒立型で、観察対象はそのまま上部に置く仕組みとなっている(プレパラートは使えない)。光源は内部にあり、単4電池で光らせるようになっている。
スライドグラスを使った観察ができないので、専門家による使用には適していない。しかしそもそもMicrobeScopeは、趣味で観察を行いたい人や、あるいは子供にミクロの世界を楽しんでもらいたいとして考えだされたプロダクトなので、プロ仕様でないのは欠点にはあたらない(ちなみに、昨年夏にもよりシンプルで、同時に性能的にも劣るIllumoscopeがKickstarterで資金調達を狙ったが、ゴールに到達することはできなかった)。
また、MicrobeScopeの開発者はスライドグラスを使うことのできるものの開発も考えているようだ。但し、もともとは「手軽」な顕微鏡環境の実現を目指しているのだとのこと。曰く「イマージョンオイルやスライド、厳格なピント合わせなどを廃しつつ、高倍率の世界を楽しんでもらいたいと考えているのです」とのことだ。
スライド化して何度も見たいというリクエストには、ビデオを撮影しておいてそれを観察することで対応したいという考えだ。とくにiPhone 5sではスローモーション撮影の機能があり、これにより動きの素早いバクテリアなどでも細かく観察することが可能であるとしている。
手に入れるにはいくら必要だろうか。数量限定で115ドルおよび125ドルというオプションが用意されていたが、これらはすべて限定数を越えてしまっている。現在の入手可能価格は135ドルだ。5月ないし6月からの出荷を予定しているとのことだ。
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(翻訳:Maeda, H)