Impalaを初めて使った人はたいてい大いに驚くことになるだろう。AIによって写真を自動的に分類してくれるアプリケーションだ。このアプリケーションに、ついにAndroid版が登場した。スマートフォンにためた写真をチェックしてジャンルごとに分類してくれるのだ。ジャンルには「Cats」、「Indoor」、「Women」、あるいは「Party Life」などといったものがある。
あまり自慢できた話でもないが、当方のスマートフォン上の写真分類でいえば、「Cats」ジャンルが「Party Life」を圧倒していた。華やかな世界に無縁である現実をつきつけられて、ちょっと微妙な気持ちになる人もいることだろう。
Impalaは昨年11月に、まずiOS版がリリースされた。開発したのはEuvision Technologiesで、ファウンダー兼CEOのHarro Stokmanがコンピュータービジョンの博士号を取得した、アムステル大学からのスピンオフ企業だ。
スマートフォン内にたくさんの写真をため込んでいる場合、すべての分類を追えるまでにはしばらく時間がかかる。筆者のケースでいうと、iPhone内に2000枚以上の写真があったが、全ての「猫」写真や「猫らしき」写真や「たぶん猫」の写真をカテゴライズするのに20分以上が必要だった。
(訳注:開発チーム全員が猫好きということで、動物写真は基本的に「Cats」カテゴリに分類されるようです。また処理状況はリアルタイムで表示され、分類された写真を見てまわることもできます)。
iOS版でもそうだったが、分類がパーフェクトというわけではない。自動的に作成されるカテゴリ内には「不確実」(less sure)というサブセクションが作成される(訳注:訳者のAndroid上では確認できませんでした)。アプリケーション側で自信を持って分類できなかったものがここに配置される。
実際には夕方の空を背景にした木の写真であっても、影が山の形に浮かんでいると、その写真が「Mountains」に分類されるようなことがある(訳注:訳者環境では国会議事堂がMountainsに分類されました)。
しかし全自動で分類されることを考えたとき、その性能はかなりのものだと言って良いと思う。「Text」に分類された写真を見てみるとまさに完璧で、アプリケーションやメールのスクリーンショット、レシートなど文字が載っている写真は、たとえ文字を記録に残そうと意識せずに写したものであっても、すべてまとめられていた。
最近では常にスマートフォンが手元にあり、搭載されるカメラもさまざまな用途で利用されるようになっている。そのような中、撮影した写真を自動的に分類/カテゴライズしてくれるツールというのは非常に便利なものだろう。
アプリケーションには撮影機能も搭載されていて、カメラを向けた方向にあるもののカテゴリをリアルタイムで表示するようになっている(#food、#hands、あるいは#personなどと表示される)。
またAndroid版Impalaアプリケーションにはフィルタリング機能もついていて、分類されるカテゴリに応じたフィルタを自動的に付加するようになっている。
「アプリケーションには3つのフィルタがあります。人物(persons)用、建築物用(architecture)、そして食べ物用(food)のものです。将来的にはフィルタのアプリケーション内販売も手掛けていく予定です」とStokmanは言っている。
Impalaのアプリケーションは無料だ。Euvisionは本アプリケーションでも用いている技術を、ライセンス提供することで収益を得ている。たとえば写真のモデレーションを必要とするソーシャルネットワークサイトなどでも利用されている。さらにはオランダ警察もライセンスの提供をうけ、児童虐待の写真などの発見に役立てているのだそうだ。
モバイル用としてリリースされているImpalaは、商用化している技術をコンパクトにまとめたライトウェイト版としてものになっている。アプリケーションはスマートフォン内部のみで動作し、プライバシー保護の意味もあって、写真をネットワークに送るようなことは一切していない。
Android版のImpalaはGoogle Play Storeよりダウンロードできる。iOS版はこれまでに9万ダウンロードを数えており、Stokmanによれば日本からのダウンロードが非常に多くなっているのだそうだ。
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(翻訳:Maeda, H)