東南アジアの配車サービスGrabへの20億ドルにおよぶDidiとの共同出資が発表されてから1日も経たないうちに、ソフトバンクは上記2社とライバル関係にあるUberに投資しようとしているとの噂が立っている。
Wall Street Journalの報道によれば、ソフトバンクは「数十億ドル分の株式」取得に向けて、Uberと連絡を交わしているとのこと。ちなみにUberはこれまで合計で120億ドルを調達しており、評価額は600億ドルにおよぶと報じられている。
Uberはコメントを控えており、ソフトバンクからの返答はまだない。
ソフトバンクがOla(インドにおけるUberのライバル)にも出資していることを考えると、いかなる形の投資であれ思い切った動きだと言えるが、全くの寝耳に水というわけでもない。Bloombergは今月に入って、Uberの将来に関する不安が広がる中、ソフトバンクが既存株主から同社の株式を購入しようとしていると報じていた。これは前CEOトラビス・カラニック、前シニアVPエミル・マイケルをはじめとする上層部の退陣や、元エンジニアのスーザン・ファウラーによる女性差別・セクハラ行為の暴露を発端とし、6月に結果が発表された元司法長官エリック・ホルダーによる調査などとも関係している。
WSJによれば、Uberは次のCEOが決まるまでは、いかなる財務活動(ここにはセカンダリーマーケットでの売買を越えた新規株式発行も含まれるかもしれない)も控える意向だとされているが、CEO選びにはある程度時間がかかりそうだ。
先日ソフトバンクは巨大ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発表し、5月に総額930ドルの初回出資を完了させたが、同ファンドがUberの投資に関わることはないようだ。というのも、ビジョン・ファンドはソフトバンクとの利益相反を背景に、配車サービス企業への出資を行わないと決めている。
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(翻訳:Atsushi Yukutake)