Misty(ミスティ)はとんでもない旅をしてきた。Foundry(ファウンドリ)とVenrock(ヴェンロック)から1150万ドル(約13億1600万円)を調達し、自社のパーソナルロボットでクラウドファンディングをした後、同社は一連の難題にぶつかった。現地時間1月17日、スウェーデンのソーシャルロボット企業であるFurhat Robotics(ファーハット・ロボティクス)は、同社によると、全額現金での取引で、この低迷するスタートアップに安らかな終着点を提供する。Furhatはこの買収の金銭的詳細について口を閉ざしているが、この買収は Furhatにハードウェア面での優位性を与え、同社のソーシャルロボティクスソフトウェアを新しいプラットフォームで活用することを可能にするためのものだという。
Furhat Roboticsという不思議な名前の会社は、Misty Roboticsがあるコロラド州を米国での事業拠点とする予定で、2つの技術を統合する方法を模索するため、同社のシニアスタッフ8人を残しておくそうだ。
Furhat RoboticsのCEOで共同設立者のSamer Al Moubayed(サマー・アル・モバイード)氏は「我々はシニアチームを維持し、オペレーション、エンジニアリング、ビジネス開発、そしてシニアソフトウェア開発者の責任者が参加します。Mistyは、中国の有名なパートナーによって製品を製造し、非常にスケーラブルな生産オペレーションを構築する上ですばらしい仕事をしてくれました」と語っている。
両社は「統一されたビジョン」に基づいて運営されていると主張し、Furhat RoboticsがMisty Roboticsブランドを引き続きサポートし、製品群の開発と拡大を支援するとともに、FurhatとMistyの機能を統合して将来のソーシャルロボットを強化すると語っている。
「ソーシャルロボットの世界では、買収は非常に珍しいことです。実は歴史上初めてのことかもしれません。まだ業界の初期段階ですから」とアル・モバイード氏はいう。「この会社は、Sphero(スフィロ)からスピンアウトした会社です。このロボットのユニークなところは、おもちゃのように見えるかもしれませんが、とても好感が持て、親しみやすいところです。それでいて、非常に高度な機能を持っています。Misty Roboticsが成功したのは、世界最高の技術を、非常に親しみやすいロボットに搭載したことです」。
Furhatチームは、自社の背面投影型アニメーション顔のロボットが、空港や駅、医療用途など、大人の人格を必要とするソーシャルロボットに最適であると提案している。Mistyが加えるのは、はるかに拡張性があり、小さな腕と表情でより表現力のあるものだ。しかし、Furhatのチームは、この2つのロボットは見た目はまったく違うが、共通点も多いと説明する。
「Mistyは、私たちに欠けていたパズルのピースなのです。例えば、教育分野に特化したより大きな市場にアクセスするのに役立ちます」と、アル・モバイード氏は買収の経緯を説明しながら語っている。「技術は非常によく似ています。しかし、Mistyはハードウェアに強く、私たちはソフトウェアに強いのです。教育用に新しいロボットを作るのではなく、Furhatは別のソリューションを探し始めることにしたのです」。
「Furhat Roboticsはこの分野における真のパイオニアです」。とMisty Roboticsの創業者で製品責任者のIan Bernstein(イアン・バーンスタイン)氏はコメントしている。「私たちは、ロボットアプリケーションの未来を現在にもたらすために力を合わせます。私たちの専門分野の組み合わせにより、近い将来、このすばらしい技術の実生活におけるさらに驚くべき応用を目にすることになるでしょう。ソーシャルロボットはすでに私たちの生活の中で重要な役割を果たしており、私たちの専門知識を組み合わせて現実世界の問題を解決することで、まさに無限大の可能性を秘めているのです」。
画像クレジット:Furhat Robotics
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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)