ダイバーシティとインクルージョンの促進に注力する投資会社Kapor Capitalが約133億円調達

有色人種の創業者やソーシャルインパクトベンチャーへの資金提供に力を入れている投資会社のKapor Capital(ケイパー・キャピタル)が「Fund III(ファンド3)」と呼ばれる1億2500万ドル(約133億円)の資金を調達していると、事情に詳しい関係者がTechCrunchに語った。

このファンドで注目すべきは、Kapor Capitalがファンドのために投資家から外部資金を受け入れるのは初めてということだ。これまで資本は、Kapor Capitalの創業者であるMitch Kapor(ミッチ・ケイパー)氏とFreada Kapor Klein(フリーダ・ケイパー・クライン)氏から直接もたらされてきた。

この資金調達は、Kapor Capitalの共同経営者であるBrian Dixon(ブライアン・ディクソン)氏とUlili Onovakpuri(ウリリ・オノバクプリ)氏が主導することになる。2人は共同マネージング・パートナーを務める。

オノバクプリ氏は2018年に、社長から共同経営者になった。当時、彼女は低所得者への償還や補助金による支払いを通じて、ヘルスケアをもっと利用しやすいものにするテクノロジーに興味があると話していた。人材面では、インクルーシブな文化の創造を支援するスタートアップへの投資に注目していると語っていた。

「多様な背景を持つ人々を受け入れ、幸せにするためには、もっと多くのことをする必要があるとわかりました。だからそのために私は投資するのです」と、オノバクプリ氏は語った。

彼女が最初に投資したのは、世界の格差を特定するためのテキストメッセージプラットフォームとしてスタートしたmSurvey(エムサーベイ)と、企業のインクルージョン化促進を支援することを目的としたtEQuitable(ティーエクイタブル)だった。

彼女の共同マネージャーであるディクソン氏は、2015年にベンチャーキャピタルの共同経営者に昇格した最初の黒人投資家の1人となった。ディクソン氏は当時、Kapor Capitalのポートフォリオの中で、女性や有色人種とされる創業者の数を半数以上に増やすことに注力していると話していた。

「共同経営者として、それを継続していきたいと思っています」と、当時ディクソン氏は語っていた。「私たちは今でも最高の企業を探しています。影響力のある企業を目指しながら、VCのようなリターンを得られる企業を探し続けています。それがKapor Capitalのユニークなところであると私は考えています。アーリーステージの会社でこのような目標を持つ会社は多くないのですが、私たちは非常に上手くやっていると思います」。

現在、Kapor Capitalのポートフォリオに含まれる企業の59%は、創業者が女性や有色人種とされる人々だ。Kapor Capitalは、テック業界におけるダイバーシティとインクルージョンの促進に尽力してきた。例えば、2016年には新規投資先企業に対し、創業者コミットメントの一環として、ダイバーシティとインクルージョンへの投資を義務づけている。

Kapor Capitalはこれまで、Blocpower(ブロックパワー)、Bitwise(ビットワイズ)、Promise(プロミス)、Aclima(アクリマ)などの企業に投資してきた。

この件についてKapor Capitalはコメントすることを辞退した。

カテゴリー: パブリック / ダイバーシティ
タグ:Kapor Capital資金調達

画像クレジット:Photo by Monica Morgan/WireImage / Getty Images

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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