ツイッターがグループチャットアプリSphereを買収、さらに進む同社のプロダクト拡充

Twitter(ツイッター)は、その社名を冠したグループチャットアプリを運営するロンドン拠点のSphere(スフィア)を買収した。Twitterはこのところプロダクトを積極的に拡充しており、今回の買収はその最新の動きとなる。

Sphereは、Tomas Halgas(トマス・ハルガス)氏とNick D’Aloisio(ニック・ダロイシオ)氏によって設立された。ダロイシオ氏は、ニュース要約アプリSummlyを創設し、報道されたところによると17歳のときに3000万ドル(約34億円)でYahooにSummlyを売却したことで知られる。Summlyは、TechCrunchが最初に報じた最初の2回のラウンドでの1180万ドル(約13億円)を含め、少なくとも3000万ドルを調達したとされている。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対してSphereの買収を認めた。

Sphereはブログで「他の人と同じように、我々はコミュニティやSpace、そして安全性を促進する機能をリリースするなど、Twitterがコミュニティ構築への投資を増やしていることに注目し、賞賛してきました」と述べた

「Twitterのチームに会ったとき、彼らがどれほど真剣に関心事ベースのコミュニティを追求しているか、そしてその潜在的な影響力をどれほど信じているかに一層感銘を受けました」。

Sphereによると、この動きの一環として、2021年11月にはスタンドアロンのアプリを終了する予定だ。同社はこれまでに獲得したユーザー数や顧客数を公表していない。

「ここまでの道のりは長く、エキサイティングなものでした。多くのスタートアップがそうであるように、Sphereもまったく異なるミッションでスタートしました。『グローバルブレイン』の構築を通じて、誰もが即座に知識を見つけ、共有できるようにするというものです。我々は当初、世界中の有償の専門家を集めたマーケットプレイスを構築し、グループチャットでつなげていました」とブログ投稿に書いた。

「我々が気づいたのは、最も有益で知識豊富な会話は、メンバーがお互いに強い帰属意識を感じているグループから生まれるということです。言い換えれば、私たちの挑戦の核心は、すべての人が自分のコミュニティを見つけられるようにすることでした。この機会は巨大です」と述べた。

今回の買収は、Twitterがここ数四半期、提供するプロダクトを拡大するためにこれまでよりも積極的になっている中でのものだ。Clubhouse(クラブハウス)の買収を試みたTwitterは2021年、同様の機能を導入し、最近ではプラットフォーム上の無秩序な言論を抑制するためにいくつかの措置を講じた。

願わくば、Sphereが傘下に入ることで、Twitterのプラットフォーム上での個人やグループのメッセージで何らかの動きがあることを期待したい。

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画像クレジット:Sphere

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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