米電気自動車メーカーのTesla(テスラ)はこの10年で市場のルーキーから時価総額の点で世界で最も価値の大きい自動車メーカーへと成長した。同社がFord(フォード)とGM(ゼネラルモーターズ)の時価総額を抜いてから随分経つが、1月に時価総額が813億9000万ドル(8兆7000億円)に達したとき、史上最も価値の大きい米国の自動車メーカーになった。
それでも、いくつかの自動車メーカーはなおテスラの先を行っていた。だがそれも本日(米国時間7月1日)までだ。テスラの株価は7月1日の取引開始後、4%近く上昇して 1,129.18ドル(約12万円)となり、過去52週間の最高値を更新した。時価総額は現在2080億ドル(約22兆3000億円)近くに達し、トヨタを抜き世界で最も価値の大きい自動車メーカーとなった。トヨタの時価総額は2027億4000万ドル(約21兆7000億円)だ。
同社の株価は一部のアナリストを困惑させてきた。論争や挫折が続いたにもかかわらず、上昇と下降を続け、その後上昇、上昇、さらに上昇を続けたからだ。世界で最も価値の大きい自動車メーカーとしてのテスラの新しい地位は世界販売台数に見合っていないが、投資家の意欲を弱める材料ではない。テスラは確かに生産と出荷を加速している。2019年には36万7500台の電気自動車を出荷した。前年比50%増だ。より安価なモデル3の販売に大きく支えられ、過去最高を記録した。
トヨタは年間1000万台の車を生産している。
テスラは、投資家が従来の自動車メーカーに当てはめていた法則から逃れた。自動車メーカーというよりはテクノロジー企業として見られている。アナリストの予測はCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏の将来の製品に関する約束に注目しがちだが、それらは決して実現しないかもしれない。出荷台数や生産台数、あるいは売上高などの四半期ごとの実績数値は、ゆっくりした足取りとなっている。
テスラの株価も、新型コロナのパンデミックが自動車業界に及ぼした影響を免れたようだ。テスラでさえ新型コロナ関連の減速と一時的な生産停止を経験したが、投資家は買い続け、株価を押し上げた。
テスラの株価は、7月1日か2日に発表される第2四半期の出荷台数と生産台数がアナリストの期待通りかそれを上回る場合、再び上昇する可能性がある。FactSetによると、アナリストらは第2四半期の販売台数を7万2000台と予想している。
画像クレジット:Tesla
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(翻訳:Mizoguchi)