デートアプリのBumbleがライフスタイル雑誌を発行

デジタルブランドによる印刷出版物への進出としては、Bumbleが最新の試みとなる。デートアプリ開発元のBumbleは4月4日、Hearst社との提携のもとにライフスタイルに関するBumble Magという出版物を発行すると発表した。この雑誌では、デートやキャリア、交友関係などに関する話題やアドバイスを5000万人以上いるBumbleユーザーに提供する。

100ページある創刊号のカバーは、Henningという大きいサイズの仕事着ブランドを展開するファッション起業家Lauren Chanだ。

雑誌の中身は、Bumbleアプリの各モード「You First」「You + BFFs」「You + Dating」「You + Bizz」に沿って4つのセクションから構成される。そこではセレブのインタビュー、特集、アドバイス、プロダクト紹介、日々のマントラ、その他が展開される。

創刊号に登場するのは、BumbleのアドバイザーでBumble初のスーパーボウルキャンペーンのスターのSerena Williams、ライターで女優そしてBumbleクリエイティブディレクターのErin/Sara Foster、Man Repellerの創業者のLeandra Medine、宝飾デザイナーのJennifer Meyer、Away luggageの共同創業者のJen Rubioだ。

デジタルブランドが印刷物に進出するというのはもはや珍しいものではない。

Airbnbは郵便で届くAirbnb Magazineを、UnileverのDollar Shave ClubはMel Magazineを、マットレスブランドのCasperはMcSweeney’sと提携してWoolly Magazineを作った。カバンブランドのAwayはHere Magazineを出版している。UberはVehicleやArriving Now、Momentumを含むいくつかの印刷タイプの雑誌を展開している。そしてFacebookすらビジネスリーダーに照準を当てた雑誌Growを立ち上げた。

Bumbleの場合、雑誌の発行でBumbleを知らない人にブランドを紹介すると同時に、既存のユーザーとはネットではなく現実世界でも関係を展開する。これは、Bumbleの既存事業にオフラインの要素を加えようという大いなる努力の一端だ。Bumbleはまた、ポップアップを展開したりイベントを開催したりしている。加えて、今年中にBumbleの言葉でいうと“Hives”という実在の交流場所をより多く展開する計画を明らかにしている。

こうした動きはデートアプリの1つ、あるいはTinderのライバルという以上の存在になりたいというBumbleの野心の表れだ。

Bumbleは、ユーザーがデートだけでなくオンラインでもオフラインでも人生全般においてネットワーキングできる、女性中心のライフスタイルブランドとして広く認識されたいと願っている。たとえばBumble BFFサービスでは新しい友達をつくることができ、Bumble Bizzはビジネスのネットワーキングにフォーカスしている。

新しく発行する雑誌は、Bumbleの宣伝に協力しているマーケッターやイベント主催者など3000余りのブランドアンバサダーを通じて配布される見込みだ。ユーザーはまた、アプリを通じて創刊号の無料コピーをリクエストできる。

Hearst社にとっては、印刷物の雑誌の購読者をデジタルに向かわせようとしているKindle UnlimitedやApple News+といったデジタルソリューションに攻勢を受けている昨今、Bumbleのようなオンラインブランドの印刷展開の動きは新たなビジネスラインとなる。

「Bumbleはエンパワーメントの前向きなメッセージで生活の全てにおいてつながりを構築し、イニシアチブをとるよう女性に働きかける最前線にある」とHearstMade編集ディレクターのBrett Hillは発表文で述べた。「雑誌は、HearstMadeがブランドの精神を最も確実な手法で反映させるカスタム出版をいかに変えているかを示すいい例だ」。

Bumbleによると、Bumble Magは4月5日金曜日に全米で入手できるようになるとのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi)