Google(グーグル)は4月30日、同社が法人向けのクラウドサービス「G Suite」向けに提供していたビデオ会議システム「Google Meet」を、Gmailアカウント(Googleアカウント)を持つすべてのユーザーに開放することを発表した。5月上旬以降に順次利用可能になる見込みだ。利用可能かどうかの通知を受け取りたい場合は、専用のウェブサイトでGmailアドレスを登録しておこう。
これまで法人向けに利用されてきたGoogle Meetは、新型コロナウイルス蔓延の影響もあり今年の1月以降の利用者は30倍に増え、4月には全ユーザーの利用時間の合計が毎日30億分(5000万時間)を超えたという。現在では毎日300万人ほどが新規ユーザーとして利用を始めており、4月20日の週には1日の利用者が1億人を超えた。
このGoogle Meetを個人で利用する場合、PCではウェブブラウザーを使えばOK。プラグインやアプリのインストールは必要ない。iPhoneやAndorid端末の場合は、専用の「Google Meet」アプリ経由でも利用可能だ。なお個人用の無料版Google Meetは、2020年9月30日以降は会議時間の上限が60分に制限されるが、それまでは制限時間なしで利用できる。
G Suiteを利用していない法人の場合は、G Suite Essentialsを導入すればいい。これはG Suiteの新しいエディションで、Google Meetのほか、Googleドライブ、Googleドキュメント(ワープロ)、Googleスプレッドシート(表計算)、Googleスライド(プレゼンツール)を利用できる。電話でのダイヤルインや⼤規模な会議、録画機能など、無料版に備わっていないGoogle Meetのより⾼度な機能を利用できる。こちらも2020年9⽉30⽇まで無料で提供されるので、テレワークの環境が整っていない企業には朗報だろう。申し込みは専用フォームで受け付けている。
そのほか、教育機関向けに「G Suite for Education」も用意しており、オンライン会議はもちろん、PTA会議、保護者面談、個別指導、学校の懇親会などに世界中で1億2000万人以上の教師や学生に使われているという。
なお、同社はGoogle Meetの特徴として以下を挙げている。個人的には、Googleカレンダーで予定を共有しておけば、カレンダー経由で手軽に会議への参加を打診できる点だ。Googleドライブにある資料をGoogle Meet上に映し出すこともできる。グーグルにすべてを握られる不安はあるが、すべてがシームレスに連携できるのでかなりの効率化が図れるのは確かだ。
- 会議への参加の承認や拒否、または必要に応じて参加者のミュートや削除ができる
- 個⼈向けのアカウントで作成された会議には、Googleアカウントを持たない匿名ユーザーは参加できない
- 会議コードは複雑なコードが付与され、総当たり攻撃での推測が困難
- ビデオ会議で転送される全データは暗号化され、Googleドライブに保存されるすべての録画・録⾳のデータも保存時に暗号化される
- ウェブブラウザーでGoogle Meetを使⽤する場合、追加のプラグインをインストールする必要はない。Chromeやその他の⼀般的なブラウザ内で完結するためセキュリティ脅威に対する脆弱性が低い
- iPhoneやAndroid端末向けにGoogle Meetアプリを用意
- Googleの⾼度な保護機能プログラムに登録可能。本プログラムは、フィッシングやアカウントの不正使⽤に対し最も強⼒な保護機能を提供
- 全サービスにおいてセキュリティとプライバシーに関する厳しい監査を定期的に実施。グローバルコンプライアンス認証を取得しており、GDPRやHIPAA、教育機関向けのCOPPAやFERPAなどの規制要件への対応を⽀援可能
- 顧客データを広告に使⽤したり、第三者に販売したりすることはない