フォーミュラEドライバーがバーチャルレースに替え玉を使いアウディチームから追放

Audi(アウディ)はフォーミュラEドライバーのDaniel Abt(ダニエル・アプト)氏をチームから追放した。先週行われたバーチャルレース競技の「Race at Home Challenge」で、プロのシミュレーションドライバーを替え玉に使ったことが発覚したためだ。

同社はフォーミュラEを通じて、Audi Sportはアプト氏を「直ちに」出場停止としたと伝えた。しかし、事態はもっと深刻で決定的なものだった。アプト氏は米国5月26日にYouTubeで公開されたビデオメッセージで、Audiが彼をチームから追放したと語った。

「今日アウディと話した結果、私との縁を切ると伝えられた」とアプト氏は語った。「もうフォーミュラEでともにレースをすることはなく、協力関係は終わった。これは人生でこれまでに味わったことのない痛みだ」。

14分間のビデオは、5月23日のバーチャルレースで起きたことを説明することが目的だったとアプト氏は語った。すべてはジョークのつもりで、レース後に打ち明ける予定だったという。

アプト氏は18歳のプロシミュレーションドライバーであるLorenz Hoerzin(ローレンツ・ホルジン)氏に、フォーミュラEバーチャルレースの第5ラウンドで代わりにプレイするよう依頼した。実際のフォーミュラEレースシリーズと異なり、このレースはファンを楽しませてユニセフに募金することを目的としていた。

ホルジン氏はレースで3着になった。しかし、レース後のインタビューにアプト氏が現れなかったことから、すぐに疑問が湧き上がった。

アプト氏はビデオで以下のように計画を説明した。

「話の中で、プロのシミュレーションレーサーが私の代わりに運転して、他の本物のドライバーたちに彼の能力を見せつけ、戦う機会を与えたらおもしろいだろう、というアイデアが浮かんだ」とアプト氏はいう。「これを記録して、ファンの喜ぶストーリーを作りたかった」。

アプト氏は後に「結果を出したまま黙っていていい格好をするつもりは決してなかった」と述べた。

アプト氏は1万ユーロ(約118万円)の罰金も課せられており、これは募金に贈られる。

声明ビデオの全編を下で見ることができる。

画像クレジット:Britta Pedersen/picture alliance / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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