2週間前にフランスのデジタル大臣Cédric O(セドオリック・オ)氏が、フランスにおけるストックオプションのルールを一部変えると発表した。大統領のEmmanuel Macron(エマニュエル・マクロン)氏が、世界経済フォーラムに先駆けて米国時間1月20日、その新しい政策を説明する。
ここでは、詳細に立ち入らずに、政策変更の概要をご説明しよう。
まず、ストックオプション(フランスでは「BSPCE」と呼ばれる)の価格はVCが決めた評価額に基づかない。
たとえばVCがシリーズAのラウンドで、企業の評価額を1200万ユーロ(約15億円)にした、とする。この額に縛られなければ、その後同社に入ったあなたは、より低い評価額に基づくストックオプションをもらうこともありえる。すると、より高いリターンのチャンスが増す。その後はさらに、また違った評価額で社員はストックオプションをもらえるだろう。
第二の政策変更は、外国のスタートアップで働いているフランス居住者は、ストックオプションをもらえない。たとえばロンドンに本社のあるCitymapperで働いているパリに住むフランス人には、ストックオプションがない。逆に、フランスで登記していない会社でも、フランスの会社で働いているフランス人はストックオプションをもらえる。
第三の変更は、French Tech Visaが、パリにオフィスのある外国企業にも有効になる。ベルリンのN26で働いていて、ブラジル人のデータサイエンティストをパリのオフィスで雇いたいなら、スタートアップ社員のためビザを迅速に取得できる。
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2019年VC企業のIndex Venturesらを中心として、ヨーロッパのストックオプション政策の改良を求めるロビー活動が行われた。そのときの公開書簡「Not Optional」には、その後数百名が署名した。
Index Venturesによると、ストックオプションに関する法制が最も粗悪なのが、ドイツとスペインとベルギーだそうだ。
[財務法PLF2020は、2020年にフランスで25000名以上の雇用を創出するテクノロジー企業のサポートを強化し継続する。]