プエルトリコ知事、イーロン・マスクに支援を求める――ツイート交換から電力網再建の交渉が始まるか?

ハリケーン・マリアによってプウエルトリコの電力網は事実上壊滅してしまった。これを再建するというのはイーロン・マスクにとってさえ稀にみるビッグチャンスだろう。プエルトリコ知事、リカルド・ロッセロはTeslaのバッテリーと太陽光発電システムによってこの作業に当たる可能性についてイーロン・マスクと話し合いを行いたいとしている。

プエルトリコ政府が所有する電力会社によれば、現在この島でで電力が利用できるのはわずか10%の地域にしかすぎない。一部の地域では電力が復活するまでに4か月から半年かかるという。

イーロン・マスクはプエルトリコの電力網再建に太陽光発電とバッテリーのテクノロジーを利用する可能性についてツイートした。

テスラ・チームは世界の数多くの島でこれ〔電力網建設〕を行ってきた。テクノロジーはスケーラブルで規模に上限はない。ただし決定を下すのはプエルトリコ政府、電力事業委員会、ビジネス関係者、そしてもっとも重要な点だが、地域住民だ。

ロッセロ知事はただちに「では話し合おう」とツイートを返し、最高イノベーション責任者も全面的に支持した( #TeslaTechnologies)。

ではこの話し合いは実際のプロジェクトに発展する可能性があるだろうか?

Teslaはすでに数百基のバッテリー・システムを プエルトリコに送っている。現在Teslaの社員が懸命に据え付け作業をしており、また現地の人々に今後のメンテナンスを指導している。

マスクは過去にもツイートから新たなビジネスを始めた経験がある。サウス・オーストラリア州にバッテリープラントを設置する件はAtlassianのファウンダーでオーストラリア人のMike Cannon-Brookesと3月に交わしたツイートがきっかけだった。この契約は先月発効し、100日間で完工できないとマスクは5000ドルをふいにするという。

マスクが述べているようにTeslaはハワイのカウアイ島やアメリカ領サモアで太陽光バッテリーシステムを建設してきた。

もちろん340万人が住むプエルトリコで想定されるプロジェクトに比べれば、これらははるかに小規模だ。しかしマスクはスケールアップに強い自信を持っているようだ。

画像:: ullstein bild / Contributor/Getty Images

〔日本版〕マスクのツイート中のPUCはPuerto Rico Utilities Commissionとみて訳した。ただしプエリトリコの電力事業の正式名称はPuerto Rico Energy Commission

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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