ホームページ作成サービス「ペライチ」を手がけるホットスタートアップ。同社は11月2日、ニッセイ・キャピタルを引受先とした4900万円の資金調達を実施したことを明らかにした。調達した資金をもとにサービスの機能追加・改善を進めつつ、プロダクトのスケールを検証するための施策を行う。
ペライチは会員登録をし、テンプレートを選択して写真やテキストを用意するだけで簡単にホームページを作成できるサービスだ。
この領域ではJimdoやStrikingly、WIXなど海外発のサービスが先行しているし、日本語対応もしている。日本のスタートアップが提供するペライチの強みはどこにあるのだろうか? ホットスタートアップ代表取締役の橋田一秀氏に聞いたところ、「うまい、安い、早い(それぞれホームページが美しい、価格設定が安価、手早くできる、という意味だ)」が同社の強みだそうで、中でも「『早い』がユーザーに受けている。価格設定については海外サービスを意識しているし、無料でも使えるが、それ以上にシンプルなUIが評判だ」(橋田氏)とのことだった。リテラシーの低い層をターゲットにしており、「ほかのサービスではホームページが作れなかったがペライチで作ることができた」なんていうユーザーの声もあったそうだ。
これまでに公開されたホームページは1万ページ以上。ユーザーの属性は「モノではなくサービスを提供する事業者が15〜20%程度、次にEC。そのあとにリアル店舗やイベントの告知などが続く」(橋田氏)という。
ホットスタートアップは2014年4月の設立。橋田氏は新卒でNTTデータに入社してSEになるも、1年半で退社。その後は知人の会社社長の依頼で同社のウェブサイト(オーダースーツのサイトだったそうだ)のディレクションを担当。そこからウェブディレクターを目指すことになる。
未経験ということもありウェブディレクターとしての就職には苦戦したが、最終的にデータ入力や入札情報の検索サービスなどを展開するうるるに入社。そこでプログラマーとして正式なデビューを果たす。
「大学でも新卒の会社でも、プログラミングがまったく面白くなかったし、挫折した。うるるのCTOに『自分で作りたいモノを作れるようになればいいから、エンジニアを目指してみればいい』と言われてチャレンジした。半年でアウトプットが出ずにバイトに降格しても諦めずに続けて、その後社員に戻って仕事を続けた」(橋田氏)
「コーヒーミーティング」でスタートアップを知り、その後起業へ
橋田氏に転機が訪れたのは2011年。リクルートグループが手がける開発コンテスト「Mashup Awards」に参加。さらにはそのイベントを取り仕切っていた山本大策氏(後にレレレを創業)が提供する「コーヒーミーティング」で出会った人々を通じて、スタートアップについて知ることになったのだという。そしてインキュベイトファンドの起業育成プログラム「Incubate Camp」の4th(2012年開催)、5th(2013年開催)に参加。5thでプログラムの審査員らから反響のあったペライチで起業するに至った。その後社員3人プラス外部デザイナーという体制でペライチの開発を進めている「チームができて安定した。みんな特徴が違っていてバランスがいい」(橋田氏)