マイクロソフトが離れていてもイベントを共有できる複合現実プラットフォーム「Microsoft Mesh」を発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月2日、同社の仮想現実コミュニティプラットフォーム「Altspace(オルトスペース)」内で開催されたAR(拡張現実) / VR(仮想現実)に特化したイベントで「Windows Mixed Reality(ウィンドウズ ミックスド リアリティ)」プラットフォームと「HoloLens(ホロレンズ)」ヘッドセットに、会議用の共有プラットフォームを提供することを目的とした新製品を発表した。

この「Microsoft Mesh(マイクロソフト メッシュ)」と呼ばれるアプリは、複合現実(MR)内でユーザーが他のユーザーと対話したり3Dコンテンツを共有できるバーチャルなミーティングスペースを提供し、ウェブ上で空間的なマルチプレイヤー体験を共有するための技術的に難しい部分をすべて処理することができる。

Microsoftの他のAR / VRアプリと同様、その売りはソフトウェア自体というよりも、マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス「Azure(アジュール)」に新たな専門性を追加し、開発者がその機能の上で独自のソフトウェアを構築することができるようにすることだと思われる。同社はMeshに対応したAltspaceVRの新バージョンを発表した。

同社のプレゼンテーションでは、映画監督で海洋探検家のJames Cameron(ジェームズ・キャメロン)氏や、Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)の共同創設者であるGuy Laliberté(ギー・ラリベルテ)氏、Pokémon Go(ポケモンゴー)の開発元であるNianticのJohn Hanke(ジョン・ハンケ)氏を招いて、Microsoft Meshの潜在的なユースケースを紹介し、この新製品を大々的に宣伝した。

MicrosoftのHoloLensは、複数のユーザーが共有スペースで、他の人には見えないデジタルコンテンツを一緒に見るような時に最も効果を発揮する。Meshの内部では、他のユーザーは漫画のようなアバターとして表現されるが、これは他の数え切れないほどのAR / VRアプリやプラットフォームを悩ませてきたデザイン上の問題だ。Microsoftでは、写真のように現実的な3Dの姿で映し出されるようになることを望んでいるというが、そのためには複雑なカメラハードウェアのコモディティ化が必要になることは間違いない。

同社は、現在のソフトウェアよりも数年先を行っていると思われるMeshのコンセプトビデオを披露した。

Meshは、空間コンピューティングの世界で、非常に独自性が高い機能を提供するわけではない。機能面を見れば、それはまったく標準的なやり方だ。Meshの差別化となる要因はアクセスの幅広さであり、それはかつてAltspaceVRプラットフォームの差別化的機能として見られたものだ。Meshは、HoloLens 2や多くのVRヘッドセット、スマートフォン、タブレット、PCなどさまざまなデバイスでアクセスすることが可能であり、デスクトップユーザーにも未来的なプラットフォームへの窓を提供する。

このソフトウェアは現在、AltspaceVRに統合されたかたちで利用できる他、HoloLens 2用のプレビュー版が公開されている。

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:MicrosoftMicrosoft Azure

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。