アメリカ国内で、800万の人々が口の臭いに問題を抱えているのだそうだ。無自覚な人もいるにはいるが、周りの人はほとんどが迷惑に感じている。
昨年のCESではBreathometerが、口臭のレベルを測定し、オーラルケアに役立てるためのMintというスマートフォンにつないで使うデバイスを予告していた。この話に進展があり、PhillipsがBreathometerと提携し、SonicareとバンドルしてMintの提供を行う旨が、今年のIFAにて発表された。
この提携によりBreathometerは、オーラルケアに対する意識がたかいであろうSonicareのユーザー層に対して、自社プロダクトを提供できるようになるわけだ。
MintはまずIndiegogoキャンペーンに登場して資金を集めた。ファウンダーのCharles Michael YimはそしてABCのShark Tankという番組にも出演して知名度を高めることとなった。当時はアルコールの検知に利用するものとされ、自分の車ではなくUberで帰ることにしようなどという判断にも役立つという紹介がされていた。
それからBreathometerは、ヘルスケア面にこそより大きな可能性があることを意識するようになった。アルコール検知というニッチな市場から、より広いオーラルケアの市場に向けてピボットすることになったわけだ。
血液や尿検査などによった方が、より統括的な検査が行えるのだろうが、それらはいずれも手間暇がかかるものだ。呼気をチェックするだけでも肺の健康状態やぜんそくの症状、代謝率、あるいは糖尿病の可能性などを調べることができるのだ。スマートフォンにつないで使うデバイスとして開発したおかげで、一般消費者が使いやすいプロダクトになったと言えるだろう。
「ヘルスケアプロダクトには、あやしげな効能をうたうものもあります。しかし呼気を分析してヘルスケアに役立てるという手法は、完全に科学的なものなのです。市場はほぼ手付かずの状態で広がっているといって良いでしょう」とYimは言う。「関連プロダクトがないわけではありませんでしたが、一般消費者向けのものはほとんど皆無なのです。Breathometerの提供するプロダクトこそ、パイオニアとなり広がっていくことでしょう」。
Phillipsと提携することで、Breathometerのビジネス機会が広がっていくことも考えられる。Yimも他プロダクトの開発を行うことにも前向きな考えを示している。
ちなみにMint単体で購入したいという方には、こちらでプレオーダーすることができる。価格は100ドルほどだ。出荷開始は9月30日が予定されている。
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(翻訳:Maeda, H)