シンガポールに拠点を置く市場調査およびデータプラットフォームのMilieu Insight(ミリューインサイト)は10月29日、プレシリーズAラウンドでの240万ドル(約2億6000万円)調達を発表した。
MassMutual Ventures Southeast Asiaがリードした。資金は、プロダクト開発とマレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムのサービス立ち上げに使われる。同社のプラットフォームであるMilieu Surveysはすでにシンガポールとタイで利用可能で、契約締結済みのクライアント数は45を超えた。
2018年11月に発表したシードラウンドを含め、同社の調達総額は315万ドル(約3億4000万円)となった。GfKやYouGovなどのグローバル調査会社で働いていたCEOのGerald Ang(ジェラルド・アン)氏が2016年12月に創業した。中小企業でも使える市場調査やデータ分析ソリューションの提供を目指す。消費者セグメンテーションツールであるMilieu Portraitsは、消費者が好む製品、メディア、ブランドなどに関する分析ができる。MillieuStudiesは企業が独自のスタディを作成できるツールだ。
COOのStephen Tracy(スティーブン・トレーシー)氏はTechCrunchにメールで「Milieu Insightが新しい進出先として東南アジア4カ国を選んだのは、消費者動向リサーチの需要が高く、市場も急速に成長しているからだ」と述べた。同社は、東南アジアの多くの国々におけるスマートフォンの急速な普及を踏まえ、モバイルデータに特化している。
「東南アジア全体への進出で楽しみな点は、これまでのテクノロジーとオートメーションへの投資のおかげで、かなり手ごろな価格で市場調査ソリューションを提供できることだ。例えば、リサーチスタディはわずか 350ドル(約3万8000円)で利用できる。我々のプラットフォームによって、これまでは金銭的に余裕がなかった慈善団体、非営利団体、学術機関、スタートアップなどもリサーチに支出を振り向けることができる」とトレーシー氏は説明した。
Milieu Insightの競争相手には、Milieu Studiesに関してはKantarやYouGov、Millieu PortraitsについてはGlobal Web Indexなどの従来の調査会社がある。トレイシー氏は、Milieu Insightの競争力はエンドツーエンドのソリューションにあると言う。「我々のプラットフォームはオーディエンス(消費者パネル)とSaaSサービスをつなぐ。企業はSaaSサービスから消費者プロファイリングデータにいつでもアクセスし、オーダーメイドの消費者調査を始め、結果を数時間で得ることができる。しかもセルフサービスで。これらすべてを単一のプラットフォームで提供できる会社は他にない」。
MassMutual VenturesのマネージングディレクターであるAnvesh Ramineni(アンベシュ・ラミネニ)氏はプレスリリースで「Milieuの優秀なチームがワールドクラスのプロダクトを開発し、本日のモバイルファーストの環境で、市場調査サービスを手頃な価格で利用することを可能にした。Milieuの今回のラウンドをリードできたことをうれしく思う。東南アジア地域全体に拡大する同社をサポートできることを楽しみにしている」と語った。
画像クレジット:Milieu Insight
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(翻訳:Mizoguchi)