請求書といえばExcelなどのソフトで手入力で作成してから、印刷・捺印した上で郵送するのが一般的。これに対してマネーフォワードが5月にベータ版をリリースした「MFクラウド請求書」は、クラウド上でロゴや社印付きの請求書を管理できるサービスだ。「ライバルはExcel。もはや相手がでかすぎてよくわからない」と語る辻庸介代表取締役社長CEOだが、7月23日に請求書の郵送代行をはじめとする機能強化を実施し、Excelのリプレイスを図ろうとしている。
マネーフォワードによれば、請求書の郵送代行はユーザーから特に要望が多かった機能。MFクラウド請求書で作成した請求書の印刷から封入・発送までの業務をマネーフォワードが代行する。通常は郵送先の地域に応じて1通あたり160〜200円がかかるが、9月10日までは1事業所あたり合計100通まで無料で郵送できるキャンペーンを実施する。定期的に送付する請求書については、毎月・毎週などの繰り返し設定をすることで、請求書を自動で作成する機能も追加した。
クラウド会計ソフト「MFクラウド会計(旧マネーフォワード For BUSINESS)」と連携し、支払い期限が過ぎた未入金の請求書をメールで伝えることも可能となった。今後は、入金時に会計ソフト側で消し込み処理を行うと、請求書サービスのステータスも自動的に入金済みにするといった連携機能も図る。
クラウド型の請求書管理サービスは紙でやりとりするのに比べ、作業時間が短くなるだけでなく、紛失リスクがなくなるのもメリット。とはいえ、これまで紙ベースでやりとりしていた個人事業主や中小企業にとって、いきなり全面クラウド化に踏み切るのは商習慣的に抵抗があるかもしれない。打倒Excelを掲げるマネーフォワードとしては、将来的には紙の請求書をなくしたいというが、まだまだ紙で管理する企業が大多数であることを踏まえて郵送代行をサポートしたようだ。
MFクラウド請求書の競合としては、「MakeLeaps」や「Misoca」といった既存のサービスもある。Misocaは4月以降、月額利用料を無料化(従来は980円〜)し、請求書の郵送やFAX送信に応じて課金するビジネスモデルを採用している。MFクラウド請求書はベータ版として無料提供されているが、秋ごろをメドに有料化する。料金は月額無料で郵送代が200円のトライアル版、月額500円で郵送代が180円(3通までは無料)のベーシック版などを投入するようだ。