投資アプリRobinhood、株取引時間拡大の発表で株価が25%急伸

消費者に人気の投資アプリのRobinhood(ロビンフッド)は米国時間3月29日、24時間365日の投資という目標に向けて、朝と夕方の株式取引時間を拡大すると発表した。これまで同アプリは米国東部時間午前9時〜午後6時、つまり市場が開く30分前から、市場が終了して2時間後までの取引を提供していた。新しい取引時間は同午前7時〜午後8時だ。

投資家はこのニュースを好意的に受け止め、Robinhoodの株価はニュース発表後、25%超上昇した。

Robinhoodはブログへの投稿で、取引時間の拡大で顧客のニーズにこれまで以上に応えられると、その理由を説明している。

「当社の顧客は、通常の市場時間帯は仕事をしていたり忙しかったりして、自分のスケジュールに合わせて投資したり、重要な市場ニュースを評価して対応したりする能力が制限されているとよく言っています」と同社は書いている。また、Robinhoodの顧客の中には、午前と午後の両方で通常の市場取引時間外にアプリにログインしている人が多数いることも指摘した。「彼らはフルタイムの仕事から学校、家庭、副業まで多くのことをこなしています」とRobinhoodは述べた。「株取引時間の拡大で、顧客は早朝や夕方など都合のいい時にポートフォリオを管理する多くのチャンスを手に入れます」。

今回の措置は、手数料無料の株式取引というアプリの中核的な価値提案を超えて、消費者投資家のニーズに応えるために同社が創業以来行ってきたいくつかのアップデートのうちの1つだ。

近年、Robinhoodは暗号資産に進出し、分数株を導入し、自動投資を追加し、24時間365日の顧客サポートを展開した。

ちょうど2022年3月、同社は独自のキャッシュカード立ち上げた。このカードは、顧客が外出先で小遣いにアクセスし、オプションで購入額をおおよその額に切り上げ、余った分を自分の選んだ資産に投資できるようにするものだ。Robinhoodの幅広いサービスでは、従来の銀行サービス手数料、サブスク料、ATM手数料、当座貸し越し手数料がかからないだけでなく、給与の口座振替への早期アクセスなどの機能で他のフィンテック企業に対抗している。カードは金融の大衆化という同社のミッションにもつながるものだと述べている。

Robinhoodは初めて株式取引を行う新しい、そしてしばしば若い投資家を呼び込むことができ、サービス開始以来かなりの数の消費者が同社のアプリを利用し、2021年の口座数は2020年12月の1250万から81%増の2270万となった。

しかし直近の四半期で成長が鈍化し、株価が急落している。2021年第4四半期に同社が発表した収益は前年同期比14%増で、夏場の成長率の半分以下だった。また、今四半期の収益見通しを弱めに発表し、業界予想の3億7630万ドル(約462億円)に対して3億6270万ドル(約445億円)、1株当たりの損失は予想の35セント(約43円)に対して49セント(約60円)と予想を下回るものとなった。

2022年の株価はIPO価格から70%下がり8月の高値から87%下落していた。

取引時間の延長は、顧客が通常の市場時間外に取引する機会を増やしたがっているという同社の主張が正しければ、Robinhoodが成長を取り戻すのに役立つ可能性がある。もちろん、同社は取引時間の延長にともなうリスクについても警告しているが、取引時間の延長により、顧客は市場が終了した後に行われる四半期決算発表や、海外市場で行われている活動に基づいて取引を行うことができるようになると指摘した。

新しい取引時間により、Robinhoodはすでに取引延長を提供しているCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)やFidelity(フィデリティ)といった従来の証券会社に対する競争力を高めることになる。

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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