米国のApp Storeのダウンロード数が中国のダウンロード数を2014年以来初めて上回った。米国時間7月16日に公開されたSensor Towerの2020年Q2レポートによると、同四半期の米国App Storeのダウンロード数が前年比27.4%増だったのに対し、中国のApp Storeの成長率は2.1%だった。四半期中に米国では22.2億回の新規インストールがあり、中国では20.6億回だった。
変化に影響を与えたのは、中国と米国両方を襲った新型コロナウイルスのパンデミックだ。「米国が中国のダウンロードを超えたのは4月に始まり、6月までずっと続いた」と同社は伝えている。
第2四半期の中国は、新型コロナのためにダウンロードが異常に多かった3月と4月から減少した。そしてダウンロード数が平常に戻りつつある中、パンデミックが少し遅れて米国にやってきた。
この結果米国ではダウンロードが急増した。人口の大部分が突然在宅勤務を強いられ、家で授業を受け、エンターテイメントもアプリやゲームやストリーミングサービスを家で楽しんだからだ。
Sensor TowerがTechCrunchに伝えたところによると、米国で特に伸びが著しかったのがビジネスと教育のアプリだった。2つのカテゴリーは米国が中国を追い越す最大要因だった。Q2にビジネスアプリは133.3%成長し、教育(84.4%)と健康・フィットネス(57.7%)、ニュース(44.9%)、ソーシャルネットワーク(42.4%)が続いた。
ビデオ会議アプリのZoomにとっては大ブレイクの四半期で、9400万近いダウンロード数はApp Storeの四半期インストール数の新記録でもあった。それまでの最高はTikTokで、2020年Q1に6700万ダウンロードを記録した。「それ以外の非ゲームアプリで1四半期に5000万インストールを達成したものはない」とSensor Towerは伝えた。
TikTokのQ2も好調で、App Storeのダウンロード数は7100万回近くで前年比154%だった。同アプリの2大ダウンロード市場は米国と中国で、中国では Douyin(抖音)と呼ばれている。
モバイルゲームも米国では大ヒット。その原因は、政府による都市封鎖のために人々が家にいたためだった。App Storeのダウンロード数で上位のモバイルゲームは、Save The Girl、Roblox、Go Knots 3D、Coin Master、Tangle Master 3D、Fishdom、ASMR Slicing、Call of Duty: Mobileなど。
この中ではRoboxが華々しい四半期を過ごした。学校とも友達とも切り離されて家にいる子供たちがオンラインゲームに走った結果だ。Robloxのゲームアプリは2020年Q1に米国内で11位だったが、Q2には2位に躍進し、四半期中に新記録となる860万回ダウンロードされた。
Rollic Gamesは、Go Knots 3DとTangle Master 3Dという2つのヒット作品が、それぞれApp Storeで500万回以上ダウンロードされた。同社のRepair Master 3Dも20位に入った。
ZoomとRollic Gamesの2社は、トップメーカーとしてQ2に初めてApp Storeでトップ10入りした、とレポートに書かれている。
米国は中国を数年ぶりに四半期で上回ったが、残るトップ5は日本、英国、ロシアで変わらず、対前年比では成長した。新規ダウンロードの急増に関連して、米国は消費者がApp Storeで消費した金額でも、2018年Q4以来初めて中国を上回った。前回の差はわずか1.6%(約5300万ドル)だったが、2020年Q2に米国は中国を14%、約7.17億ドル上回った。
新型コロナ禍の中、米国は対前四半期の消費金額も大きく伸ばし、Q1とQ2の間で20%成長した。一方中国は、ウイルスの影響が最も大きかった2020年Q1のApp Storeの消費金額は2019年Q4と比べて5%増にとどまった。
画像クレジット:Sensor Tower
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )