今日(米国時間3/12)Toshibaが、企業向けARヘッドセットdynaEdgeを披露した。その、あまりセクシーとは言えないヘッドセットは、多くの点で平々凡々だが、独特なのは、Windows 10 Professional PCの完全バージョンが付随することだ。
その1899ドルのパッケージを構成するものは、Vuzix製のGoogle Glassふうヘッドアップディスプレイと、それが接続するIntelの第6世代プロセッサーを搭載するバッテリー駆動のWindows 10 PCだ。
ヘッドセットは片目を覆うだけで、ユーザーがそれを視界から外すことも容易にできる。工場などのタスクに向けて最適化されており、たとえばスクリーン上のチェックリストおよび画像と棚の上の現物を対照していく(上図)といった作業に向いている。現場の労働者がそのデザインを気に入ることはないと思うが、安全帽の上からでも着用できるし、邪魔なら簡単に視界から外せるので、他社製品ほど、うっとうしくはない。
インタフェイスもAR向けに最適化されているから、PDFのドキュメントを仕事をしながらページを繰ったり、今見たい必要なビデオをストリーミングさせたり、製品のQRコードをスキャンしたり、などなどのことができる。
ARヘッドセットを企業が生産ラインに持ち込むときの、最大の問題のひとつが、使用者の訓練と、その企業のITのセキュリティとの統合だ。これまでのヘッドセットはその多くが、Windowsの世界に迷い込んだAndroidの孤児だ。そこでToshibaが考えたのは、ヘッドセットもWindows化することによって、それを企業顧客が採用しやすくすることだ。
またToshibaという名前とブランドイメージが、企業顧客には一定の安心感を与える。ほんの数年前に生まれたばかりのスタートアップから買うことを、渋っていた企業でも。