現代のパリが舞台のNetflix「ルパン」はひねりが効いておもしろい

Netflixオリジナルの新シリーズ「LUPIN(ルパン)」はMaurice Leblanc(モーリス・ルブラン)作の紳士怪盗アルセーヌ・ルパンにヒントを得たクライムコメディーだ。現代パリを舞台に「アルセーヌ」ならぬ「アセーヌ」が大活躍する。

フラッシュバックで、Omar Sy(オマール・シー)演じる主人公のアセーヌ・ディオプは若い頃にセネガル移民として父親とともにパリに来たセネガル移民だとわかる。長じてアセーヌは、変装の達人で神出鬼没の怪盗となる。

アサーヌの犯行には時計仕かけ精密で実行される巧妙な計画もあるが、単に当然のような顔をして入り込むという図々しさによるものもある。シリーズ1では5エピソードが公開されている(今後シーズン2が続く予定だ)。アサーヌは父親を陥れ、刑務所に入れた陰謀に引き込まれる。

実のところ「ルパン」を楽しむためには、ある程度の「信じられない」という気持ちをいくらか抑えることが必要だ。アサーヌの成功には、とんでもなく無能な警察と説明なしにいきなり姿を消すという仕かけのご都合主義に支えられている部分がある。しかしルパンを演じるシーのカリスマ的なパフォーマンスと、創意工夫に溢れた達者な脇役の演技のおかげで非常に楽しいドラマとなっている。

「ルパン」は、まるっきり方向性は異なるが、パリにやって来た外国人という点では同じNetflix製作の「Emily in Paris(エミリー、パリへ行く)」と設定が少し似ている。「エミリー」は最近、2つのゴールデングローブ賞にノミネートされた(が、賛否両輪を巻き起こした)。

Jordan Crook(ジョーダン・クルック)記者によれば「シー演じるアセーヌが腕力より頭脳の回転に頼るところが新鮮」だという。私もアセーヌが「(ミッション・インポッシブルの)トム・クルーズのような身体能力とハイテクではなく、むしろ巧みな心理的バランスの操作によるトリックを利用する」点を評価している。

【Japan編集部】日本のNetlfixシーズン1の10話のうち前半5話が公開中。

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画像クレジット:Emmanuel Guimier / Netflix

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(文:Anthony Ha、Jordan Crook、Darrell Etherington、翻訳:滑川海彦@Facebook

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