好むと好まざるとに関わらず、WordPressがコンテンツ主体のWebサイトのためのデファクトのソリューションでありつづけていることは、否定できない。本家のWordPress.comだけでなく、WP Engineに代表されるような、WordPress専門のホスティングサービスも過去数年にわたっていろいろ登場している。今日(米国時間3/4)は、Media Templeという名のサイトが、この競技場に参加してきた。
同社の料金は、最大3つまでのWordPressのインストールで月額29ドルと、かなり思い切った低料金だ。その後WPのインスタンスが一つ増えるたびに月額9ドルが加算される。しかもこの料金で帯域制限はなく、月間ページビューが数百万になっても、料金は変わらない。
Media TempleのプロダクトマネージャDante Bakerによると、同社の管理サービスつきWordPressホスティングは、デベロッパやデザイナーがワンクリックでセットアップでき、サーバのセットアップとかパフォーマンスやスケーリングの問題などに自分で対応する必要がない。類似のサービスと同様、アップデートは自動化され、またバックアップはワンクリックでできる。
Media Templeがとくに自慢するのは、新しいサイトを顧客と共有しながらテストしていくときの、ステージング環境が提供されることだ。そして、いよいよ本番展開となったら、“go live”ボタンを押すだけでよい。
同サイトの将来のユーザ候補たちがメール機能の内蔵を希望したので、Media Templeのユーザダッシュボードにはカスタムデザインのメールプラグインがあり、そのユーザのMedia Templeのインボックスを表示する。こういったプラグイン類やそのほかの変更事項は、今後WordPress本体のオープンソースプロジェクトに合流してほしい、と同社は期待している。
サービスの直接の顧客は、これからサイトを作るデベロッパやデザイナーだが、さらにMedia Templeは、有料のテーマを集めたマーケットプレースや、同社が作ったデフォルトのテーマ集も提供している。だから企業やブロガーなどのエンドユーザも直接、同社のユーザ顧客になれる。
“今WordPressのコミュニティは有料の高度な機能に飢えているね”、とBakerは言う。“これまでのホスティング屋さんたちは、WordPressとそのユーザなんか眼中になかった。だからうちは、低料金で相当高度なWordPressホスティングサービスを提供できることを証明したいのだ”。
サポートは24/7である。同社独自のユーザスキル認定方式があり、また初心者ユーザ向けと高度なデベロッパ向けという二段階のヘルプ技術者チームを擁している。実は、同社のWordPress歴は長い。同社はこれまで、Gridという、ふつうのWebホスティングサービスを運営してきたが、そのユーザサイトの1/3がWordPressベースのサイトであり、しかもGrid上のトラフィックの60%がこれらのサイトのものだ。したがってCPU負荷率でいうと、70~80%がWordPressサイトで占められている。
同社の新たなWordPress専用ホスティングサービスも、そのインフラはGridと同様で、ストレージのほとんどをSSD化している。また高いパフォーマンスを維持するために独自のキャッシングシステムなど、一連のパフォーマンス関連サービスを提供している(そのため、ユーザ自身が独自にキャッシングプラグインをインストールしてはいけない)。
Media Templeは昨年GoDaddyに買収されたが、今でも別企業として操業している。今後は徐々に新しい機能を増やしていくとともに、有料テーマのための専属デザイナーチームも作りたい、とBakerは言っている。とりあえずこの夏には、Gridの方の新しい機能集合をローンチする予定だ。またストレージインフラのSSD化率も、今後一層高めていきたい、と。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))