米アマゾンの出店者は2020年9月1日から名前と住所の表示が必須に

米国時間7月8日、Amazon(アマゾン)は米国の出店業者に通知を送り、近いうちに売り手のプロフィールページへの業者名と住所の掲載を義務付けることを伝えた。個人の場合は、自分の名前と住所を載せることになる。似たようなシステムは各国の法律のもとで、すでにヨーロッパ、日本、およびメキシコのアマゾンで実施されている。同社はこの変更について「プラットフォームに一貫した基準を設けることで、オンラインショッパーが情報に基づく購入判断をできるようにするためだ」と説明している。

もちろん変更の目的は、透明性だけではない。米アマゾンのマーケットプレイスは最古かつ最大で、全世界のアクティブ出店者220万店のうち、46万1000店が米国(marketplacepulseレポート)だ。全世界では860万件店の登録出店業者が存在し、毎年約100万件増えていることがMarketplace Pulseのデータからわかる。

しかもアマゾンのマーケットプレイスは、同社の売上の約半分を占めている(statistaレポート)。しかし、成長するにつれて、詐欺、偽製品などさまざまて問題に悩まされるようになった。同社は長年こうした問題を避けて通ってきたことを非難されてきた(Forbes記事)、最近になって問題解決に数十億ドルをつぎ込むことを誓約(Fox Business記事)した。同社はここ数年、詐欺業者や偽造品業者と法廷でも戦っており(未訳記事)、デザイナー(GeekWire記事)や、アクセサリーメーカー(未訳記事)、さらにはフェイクレビュー(未訳記事)経済に加担する連中(未訳記事)も相手にしている。

昨年、同社はブランドやメーカー向けに、先行して偽物を取り締まる取り組みである「Project Zero」の一環としてツール群を提供した(未訳記事)。

そして今年4月、ビデオ通話を使ってサードパーティー業者の身元を確認する新システムのパイロットテストを進めていることを発表した。これまでの対面による確認から新型コロナのために変更したものだ。このシステムを通じて同社は、売り手の識別情報が本人や申請時の書類と一致しているかどうかを検証する。

そして今、米国の出店者に対して2020年9月1日までに業者の名前と住所をプロフィールに記載しなければならないと伝えている。この変更によって、詐欺との戦いや偽物を巡る訴訟がやりやすくなる。消費者は、商品に問題があったり、売り手に連絡を取りたいとき、さらには自身で訴訟を起こす場合などにも住所を知ることができる。

新システムが有効になると、Amazon.comの売り手ページには、業者に関する詳しい情報が表示されるようになる。以下のMarketplace Pulseの画像で、英国と米国の出店者のページを比較してみることかできる。

画像クレジット:Marketplace Pulse

同社は声明で、この変更はシステムの一貫性を保ち、オンライン詐欺を防ぐためであると語った。「当社は過去数年にわたり、出店者が自らについてより多くの情報を公開する方法として、売り手のプロフィールページやブランドオーナーの『Store』(ストア)ページ、Handmade(ハンドメイド)の 『Maker Profile』(メーカープロフィール)ページを利用する方法を開発してきた」と広報担当者は語った。「こうした機能によって、買い手は売り手の事業や製品をもっとよく知ることができる。9月1日から、Amazon.comの販売者のプロフィールページには名前と住所を表示することで売り手情報の一貫性を保ち、顧客が情報に基づく購入判断をできるようにする」。

画像クレジット:Lisa Werner / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook