米国の料理配達スタートアップGrubhub買収を巡り、本命のUberに加えて欧州2社が名乗り

米国の料理配達スタートアップのGrubhubの買収を巡って「これまで本命とされていたUberに対抗して米国進出を図る有力なヨーロッパ企業2社が名乗りを上げた」とCNBCが報じた。参戦したのは、TakeawayがJust Eatを買収して誕生(Iindependent記事)したJust Eat TakeawayとDelivery Heroだ。

名乗りを上げた2社は米国市場への大々的参入を図っているヨーロッパ企業だ。Just Eat Takeawayは英国とオランダを本拠とし、Delivery Heroはドイツ企業となる。Crunchbaseによれば、Just Eat Takeawayは双方合計で10億ドル(約1096億円、両社は現在単一企業となっている)を調達し、Delivery Heroも数十億ドルの資金を集めている(Crunchbase記事)。

提示金額は今のところ不明だが、株式市場は「両社はかなりの額を払う用意があるはず」と楽観的に想定している。 Uber以外に有力な買収提案があったらしいという情報にGrubhubの株価は急上昇し7%アップで引けた。

競争になれば、当然Grubhubの買収価格は上がる。UberとGrubhubは後者の適切な買収価格を巡って折衝を重ねている(MarketWatch記事)と報じられている。 UberのUber Eatsは米国の料理宅配市場ではGrubhubの最大のライバルだ。それだけにUberのビジネスにとってはGrububの買収は魅力的かつ重要だ。Uberが最大のライバルの1つを買収し、そのシェアを自分のものにできれば、主要事業の配車サービス以上のキャッシュをフードデリバリーから得られる可能性が出てくる。Uberの累積赤字を減らすことに役立つかもしれない。

今後どれほどのレストランが、フードデリバリー業者や総合的サービスを提供するフードアグリゲーターを利用するようになるのかは明らかでない。

しかし米国のフードデリバリー市場の主導権を巡る戦いはまだ当分決着がつきそうにないことだけははっきりしてきた。もしヨーロッパ生まれの2社のどちらかがGrubhubの買収に成功した場合、飲食店のキッチンから消費者の家に料理を運ぶ役割を得るための競争に新たな燃料が投下されることになるだろう。Uber EatsのライバルであるGrubhub(とそれを買収した企業)に加えて、地域のロジスティクス全般を担当するPostmates、ソフトバンクが出資するドア・ツー・ドア配送のDoorDashなども巻き込んだ激しい争いになりそうだ。

Grubhubがヨーロッパ企業に買収された場合、潤沢なキャッシュによって新たに活力を得た同社との戦いはUberにとって非常に高くつくものになる。そうした事態を避けるために、Uberは提示する買収金額を渋々引き上げることになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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