米連邦通信委員会がSNSのコンテンツ免責をうたう第230条へのトランプ大統領の攻撃について市民にコメントを求める

【抄訳】
米連邦通信委員会(FCC)の委員長であるAjit Pai(アジット・パイ)氏は、現在のインターネット経済の創造に寄与したと思われるある種の保護を薄めようとするためにトランプ大統領が2020年5月に開始した計画に対して、それについての考えを、一般国民に求めることを決めた。露骨に報復的な命令は、法的には笑えるようなものであり、一般市民からの声がなくても解決する可能性があると思われるが、FCCはみんなの意見を求めており、それを伝えたほうがいいかもしれない。

コメントは長年使われてきた(未訳記事)FCCの電子的コメント提出システムで残すことができるが、ここで出すことができるが、その前にいくつかの事実を知っておいて欲しい。

問題の通信品位法第230条は、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)のような企業が、彼らが単にホストしたにすぎないコンテンツに関して法的に有責になることを防ぐ。ただし、不法なコンテンツを迅速に削除したならば、という条件が付く。一部の人たちは、この保護があることによって企業にそのプラットフォーム上の発言を操作する機会を与えると感じている。トランプ大統領はメールによる投票について立証されていない主張をして、Twitter(ツイッター)に「事実確認」の警告を出され、自らが操作のターゲットになったと感じた。

命令そのものを理解し、また、その影響を受けてしまう企業やその法律を作成したオレゴン州選出民主党のRon Wyden(ロン・ワイデン)上院議員からのコメントを読みたい人は、トランプ大統領がその命令に署名した当日の記事(未訳記事)をお読みいただきたい。ワイデン氏はその命令を「明白に違法だ」といっている。

第230条の不備な部分を補うための超党派の取り組みについて知りたい人は、6月に発表されたPACT Act(プラットホームの責任と消費者の透明性に関する法)をチェック(未訳記事)しよう。この新しい法律の起草についてハワイ州選出民主党のBrian Schatz(ブライアン・シャッツ)上院議員は、「削岩機ではなく外科用メスを使った」と述べた。

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FCC側の状況についてわかりやすいのは、現職の委員であるBrendan Starks(ブレンダン・スタークス)氏のコメントだ。彼は命令の適法性と倫理を問題視し、命令は一部の企業を脅かすための個人的な復讐だと比喩的に語った。

【中略】

なお、パイ委員長が公衆コメントの期間について触れているメモの中で触れているのはスタークス委員のことだろう。パイ氏は「法の無視や公衆の排除を要求する人たちには合意できない。すべての利害関係者がこの重要な問題の論争に加わるべきだ。活発な議論は歓迎するが、議論の排除はノーだ」という。

これに対してスタークス委員は、この命令にはFCC自身が迅速かつ権威をもって対処すべきだ、と考えている。なぜならこのコメント投稿のような形式の陳情の法的有効性が疑われる可能性もあるからだ。FCCが自ら考えて、自ら判断すべきものを一般市民に判断させようとするのも問題だ、とスタークス氏は考えている。しかもFCCがコメントの結論的な大勢をどれだけ真剣に受け止めるのか、それとも無視するのか、その採否すらわからないのだ。

【後略】

画像クレジット:Mark Van Scyoc / Shutterstock

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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