自動印刷カメラアプリのFotr、iPhoneがフィルムカメラになったらどうなる?

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あなたが最後に写真を印刷したのはいつだろうか。新しいiPhone向けアプリFotrは、撮影された写真全てを自動的に印刷することで、写真印刷のリバイバルを目論んでいる。このアプリの根底にあるアイディアは、撮影枚数を減らして各写真のクオリティを向上させるという、アナログ写真の要素を取り戻すことだ。

This is a photo of a phone taking a photo of a phone.

これは電話の写真を撮っている電話の写真。

実際のところ、写真印刷はまだまだ死んでいない。フォトキナでも、プリンター一体型の新しいPolaroidのカメラが展示されていたほか、Leicaは、Sofortと名付けられた高級インスタントカメラを発表した。また、ファッションデザイナーのMichael Korsは、ファッション好きの消費者に向けて、特別仕様のinstax(”チェキ”で知られるFujifilm製のインスタントカメラ)の製造に関わっていた。さらに、私はようやくインスタントカメラ界の新星、Impossible ProjectのI-1に触れることができた。

Fotrは、前述のような写真を即座に印刷できるカメラの動作を真似ており、ユーザーが気に入っているかどうかに関わらず、撮影された全ての写真が印刷されるようになっている。

「最近では、私たちは無数の写真を撮っていますが、ハードドライブの中に保存されたままで、全ての写真をチェックする時間もありません。私たちは、Fotrで写真を形にしたかったんです。Fotrを使えば、アプリが例外なしに全ての写真を印刷するので、ユーザーは、日の目を浴びることのないたくさんの写真のことを忘れてしまっても問題ありません」とFotrファウンダーのOndrej Loudilは説明する。

Having to buy a "film" before you take photos on your iPhone will make you think twice about what and how you shoot, the app's makers believe.

iPhoneで写真を撮る前に”フィルム”を購入するというプロセスが追加されることで、ユーザーが何をどのように撮影するかというのを熟考するようになると、Fotrは考えている。

Fotrアプリを使って撮影された写真は、10日以内に印刷されてユーザーの手元に届けられる。

「多くのプロカメラマンが、写真の技術を磨くためにアナログカメラの購入を勧めています。フィルムは高価なため、写真を撮る前に考えるようになるんです」とOndrejは語る。

写真1枚1枚の印刷費用を支払わなければいけないという制約によって、撮影者のクリエイティビティが解放されるとFotrは主張する。

アプリの中では、通常の6×4サイズのほかに、一回り大きい7×5サイズも選択することができる。さらに、カラー印刷か白黒印刷か、そして”フィルム”は24もしくは36フレームから選ぶことができる。フィルムの価格は17〜35ドルで、これには世界中への写真の配送料も含まれている。

Fotrのサービスが良いアイディアなのかどうかについて、はっきりと言うのは難しい。良い写真だけを印刷するというのにも利点があるし、Fotrよりも安く写真を印刷できるサービスはある。一方で、暗室で写真を現像・印刷するのに何時間も費やしたことのある者として、アプリの背景にある考えには納得がいく。写真についてもっと意識させられることで、ユーザーが撮る写真に素晴らしい変化が起きる可能性があるのだ。Fotrをメインの写真アプリとして使うユーザーがたくさんいるとは思えないが、自分のクリエイティビティを溢れださせるのには、(最大)35ドルを支払う価値があるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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