自動車メーカーは、交通の未来は一人一台ではないことに気付き始めている。ライドシェアリング、ライドヘイリング等の相乗り、および公共交通だ ― そしてその車はドライバーを必要としないかもしれない。このため多くの主要メーカーが「モビリティー会社」に転じようとしている。
動きは早かった。2016年前半だけで、いくつもの自動車メーカーが、すばらしき新交通世界で既に運用している輸送会社と提携交渉に入っており、BMWやDaimlerのように自社で輸送サービスを開発する会社もある。
今後数年で交通事情が変るにつれ、こうした提携が、自転車や徒歩を含め、地域での移動に多様な選択肢を生み出すことは間違いない。
- BMW + ReachNow:ドイツの自動車メーカーはReachNowのパイロットプログラムを、サンフランシスコ地区でDriveNowブランドとして開始した。2015年末にはカリフォルニアでの運用を終えシアトルに移り、2016年4月からReachNowとして再出発した。これはフリーフローティング・カーシェアリング・サービスで、指定の駐車場所であればどこで拾ってどこで乗り捨ててもいい。BMWは、カリフォルニアのカープーリング会社、Scoopにも投資している。
- Daimler + car2go:これはこのリストの中では異端だ。なぜならDaimlerはカーシェアリング暗黒期 ― 2008年 ― にこのcar2goサービスを立ち上げたからだ。同社はSmart ForTwoモデルのみ、一部の都市では電動モデルを使っている。今や同種のサービスの中では最大で、世界29都市で130万人以上のユーザーを持つ。
- GM + Lyft:今年1月から、GMとLyftは未来のオンデマンド自動走行車ネットワークを共同で構築している。一方、両社は短期レンタルサービスのExpress Driveと提携し、適格車を必要とするLyftドライバーに貸し出している。パイロット都市のシカゴで、Chevy Equinoxを借りて65回以上客を乗せたLyftドライバーは、週99ドルのレンタル料金を免除される。
- Toyota + Uber:ToyotaとUverは今年5月に提携を発表し、UberドライバーはUberの収入からリース料金を払いれようになった。面白いのはMirai Creation Investmentも契約に名を連ねていることで、Uberドライバーが水素動力のMirai車をカリフォルニアのようにある程度水素インフラのある州でリースできる可能性を示唆している。
- VW + Gett:2016年5月、Volkswagenは世界60都市で相乗りサービスを運用するGett(旧 GetTaxi)に3億ドルを投資した。Gettは、Uber等の競合とは少し異なり、乗客を運ぶ許可を得たドライバーだけを使う。例えば、ロンドンのタクシーの半数はGettを使っているとプレスリリースに書かれている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)