衛星コンステレーションのSpire Globalが約1712億万円のSPACを通じて上場へ

米国時間3月1日、2つの宇宙SPACがやってきた。最初がRocket Lab、次がSpire Globalだ。Spire Globalは100機以上の人工衛星コンステレーションで可能になるデータとその分析を提供するSaaSを自称している。SPACは宇宙スタートアップ市場の圧力放出バルブであることを本質的に証明し、ベンチャーのサポートは儲かるとする連中の、鳴り物入りのエグジットへの期待に応えているのだ。

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Spire Globalは2012年にデビューし、これまで約2億2000万ドル(約235億4000万円)を調達している。同社はNavSight Holdingsと呼ばれる特殊目的買収企業(SPAC)と合併して、ニューヨーク証券取引所に「SPIR」というティッカーシンボルでデビューするつもりだ。合弁後の企業は取引終了後の公式の企業価値が16億ドル(約1711億70000万円)になる予定で、期日は2021年夏を目指している。

この取引で同社には4億7500万ドル(約508億2000万円)が入る。それにはTiger GlobalやBlackRock、HedosophiaなどのPIPEも含まれる。Spireの既存株主は合併後の企業の約67%を保有することになる。

Spireの衛星ネットワークは顧客に「Space-as-a-Service」を提供し、各自が自分のペイロードで運用する。デベロッパーが自分のソフトウェアにAPIを統合して、コンステレーションが集めたデータにアクセスできる。ビジネスモデルはサブスクリプション方式で、データは顧客が宇宙で入手生成したものでもよい。ただしそれは契約とコミットメントから1年以内でなければならない。

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Spire Globalの既存の投資家はRRE VenturesやPromus Ventures、Seraphim Capital、Mitsui Global Investmentなどで、最新のラウンドは投資でなく融資だった。同社は衛星の打ち上げをRocket Labに依頼する、こちらも3月1日のSPACラッシュ仲間だ。同社が運用する衛星は小型のキューブサットで、使われる打ち上げ機はSpaceXのFalcon 9やロシアのSoyuz、ISROのPSLV、日本のH-2B、ULAのロケット、Northrop GrummanのAntaresそれに国際宇宙ステーションも使われる。

Spireの始まりは実にささやかなもので、10万ドル(約1070万円)の資金を集めたKickstarterキャンペーンにまで遡る。

カテゴリー:宇宙
タグ:Spire GlobalSPAC衛星コンステレーション

画像クレジット:Spire Global

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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