謎のARスタートアップ、Magic Leapがサウジから4.61億ドル調達

Magic Leap依然として何のプロダクトもリリースしていない。しかし多額の資金の調達は続けている。今日(米国時間3/7)、フロリダ州フォートマイヤーズに本拠を置くARスタートアップはサウジアラビア王国の国営投資機関、The Public Investment Fundを始めとする投資家から4億6100万ドルを調達したことを発表した。 同社によると、サウジのファンドが4億ドル、「新たな投資家」が6000万ドルを出資したという。

今回の投資はシリーズDを補完するもので、Magic Leapは昨年10月、Temasekのリードで5億200万ドルのシリーズDを実行している。今回の新たな投資でシリーズのDラウンドの総額は9億6300万ドルになったとMagic Leapは発表した。

Magic Leapが集めた資金の総額は23億ドルに達した。

しかしMagic Leapはなぜかくも多額の資金を必要とし続けるのだろう?  この疑問はだいぶ前から多くの人々が抱いているが、Magic
Leapが「全てを自前でやる」方針なのは確実だ。

Magic Leapが製作しようとしているプロダクトはこれまでに全く存在しなかったものなので、ハードウェアもゼロから開発しており、ディスプレイ・テクノロジーやセンサーの開発には途方もなく大規模なりソースを必要とする。このプロダクトはユーザーの周囲の環境を素早く効果的に認識できる。また同社はプロダクトに適合する独自のOSも開発している。従来のOSと似た部分もあるがユニークなアイディアを必要とする部分も多い、という。

この何もかも同時に「自前でやる」戦略は、Magic Leapのスケジュールに多大の遅延をもたらしている。しかしヘッドセットを1台も完成させていなくても巨額の資金を投ずる有名投資家が次々に現れるためMagic Leapは資金にこと欠く心配はないらしい。ヘッドセットといえば同社のMagic Leap OneのCreator Editionは今年、2018年にリリースが予定されている。ともあれ同社が広く信任を集めるためには、数多くの疑問に答える必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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