足の写真から最適な靴を提案する「シンデレラシューズ」、KDDI ∞ labo第8期の最優秀賞に

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KDDIが手がけるインキュベーションプログラム「KDDI ∞ labo」。2015年3月〜6月に開催された第8期となるプログラムも終了し、7月14日にその成果発表会が開催された。最優秀チームとなったのは、足の写真を送るとそのデータを計測、自分にピッタリなサイズの靴をECサイトから探せる「シンデレラシューズ」(本日、1000人に限定してサービスをローンチ)を手がけるシンデレラだった。発表会でのプレゼンテーションをもとに参加者が投票する「オーディエンス賞」にもシンデレラが選ばれた。

KDDI ∞ laboは2011年から続くインキュベーションプログラム。第8期に採択されたチームはシンデレラシューズのほか、照明をヒントにしたIoTデバイスを手がける「LYNCUE(リンキュー)」、美容室予約サービスの「Oshareca(オシャレカ)」、IoTで養蜂業を支援する「Bee Sensing」ものづくりに関するハウツー動画を集めた「PU」の5チーム。サービスの概要は以下の通り。なお8期メンバー採択時の記事はこちら

OSHARECA「Oshareca」

いつも通う美容師に対してヘアケアなどの相談ができるコミュニケーションアプリ。相談した記録が蓄積されることで、ユーザー独自のヘアカルテになる。クローズドベータ版を同日リリースした。

Bee Sensing「Bee Sensing」

3万匹の中に1匹しかいない女王蜂の体調管理をはじめとして、実は重労働が伴う養蜂業。その養蜂のための巣箱にセンサーを付けることで、スマホでの蜂の健康管理を行う。データは遠隔地で閲覧できるほか、緊急時にはアラートを出すことが可能。さらにユーザーには、どこで取れた蜂蜜であるかを伝える、つまりトレーサビリティを確保できる。チーム代表の松原秀樹氏はIMBの出身。市場規模180万円の養蜂業をDisruptすべく2015年に起業した。現在クラウドファンディングサービス「READYFOR?」にてプロジェクトを掲載中だ。

SUPERSTUDIO「PU

ものづくりのハウツーを動画で学習できるサービス。サイトは本日オープンした。ただ動画で学習するだけでなく、同社では都内数カ所の倉庫でものづくりに関するリアルイベントを企画。今後は自らが作成した商品の売買ができるECプラットフォームも展開する予定。

TEAM LYNCUE「LYNCUE

照明を軸にしたIoTデバイス。照明にプロジェクターとカメラを組み込んでおり、
スイッチ1つで電源がつき、遠隔地に置いたLYNCUEのビデオやプロジェクターが起動。リアルタイムに映像を共有する。現在クラウドファンディングサービス「MAKUAKE」にもプロジェクトを掲載する。

シンデレラ代表の松本久美氏

シンデレラ代表の松本久美氏

シンデレラ「シンデレラシューズ

靴を買うときに相談できる専門家はシューフィッターや靴職人などがいるが、フィッティングとプライスが相反するのが靴の業界。それを画像解析によって最適化するのがこのサービス。本日先着1000人限定でサービスを提供開始した。具体的には足の写真を上から、横からの2枚、左右で計4枚撮影してサイトにアップロード。すると画像認識の結果と靴のデータベースによるマッチングを実施。ユーザー向けに診断書を発行するほか、シンデレラシューズのサイト上でさまざまな靴を「ピッタリ度」をとともに紹介する。

大企業連携、地方連携も強化

∞ laboでは第7期以降、KDDI以外の大手企業が採択チームへの支援を行う「パートナー連合プログラム」を展開。第8期では15社がプログラムに採択された各チームを支援した。

例えばOsharecaはクレディセゾンがガード会社へのリサーチで支援する、シンデレラシューズは三井不動産が足データの測定で支援するといった具合だ。第9期では、新たにグーグル、住友不動産、三菱UFJニコスがプログラムに参加する。「同業、異業の枠を超えてスタートアップを支援していく」(KDDI代表取締役執行役員専務の高橋誠氏)

地方と連携する「MeetUP!プログラム」

地方と連携する「MeetUP!プログラム」

また第8期から実施している地方創生の取り組みを強化する。第8期より実施している大阪市との連携に加えて、石巻市や広島県、福岡市と連携。各地スタートアップ向けに地方ピッチやDemoDayへの参加を促す「MeetUP!プログラム」を展開する。

6カ月の「ハードウェアプログラム」も開催

さらにハードウェアに特化したプログラムも実施。通常のプログラムは3カ月だが、こちらのプログラムは6カ月。応募条件としては試作品が外部公表前のプロダクトに限定されるが、事業化計画の支援から専門家によるメンタリングや講義の開催、さらに開発環境やツールを提供することで、クラウドファンディングによる試作から量産化の支援、販路の提供やビジネスマッチングまでをサポートする。

ハードウェアプログラムについて

ハードウェアプログラムについて

プログラムでは、ザクティやソフトフロント、ユカイ工学などのハードウェア企業やIoTコンサルタント、スマートデバイスメーカー社長などの専門家が支援を行う。「IoTはたくさん取り組んでいるが本当にマネタイズする仕組みが必要。持続的に回らないと『はやりワード』で終わってしまう。何とか支援していきたい」(高橋氏)。第9期の募集は本日から8月17日まで。応募および条件の詳細ついては∞ laboのサイトにて。

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。