テクノロジー系の記事を理解したり、あるいは自ら執筆するような場合、もっとも大変なのは内輪でのみ通じるような言葉を理解することかもしれない。通常の生活ではまず用いることのない用語が広く用いられているのだ。
そうした状況をなんとかしようと、AlphabetのインキュベーターであるJigsawが、The Washington PostとともにSideways Dictionaryというサービスを立ち上げた。よくある辞書とは違い、徹底的に「比喩」による説明を試みているのが新しい。たとえばBitCoinをみると、「デジタル版金鉱」というような説明もある(限りある資源を掘り出して、他の資産との交換に用いることができる)。また「ゼロデイ」については「発見されたばかりの新ウイルス」という説明がある。
もちろん、比喩に頼りすぎれば意味を単純化しすぎてしまうこともある。Sideways Dictionaryもそのことを意識しており、比喩を通じて理解へのきっかけを作ろうとするのが、この辞書の目的となっている。比喩表現には、なかなか丁寧な説明もついている。さらにいくつもの比喩が列記されていることもあり、それらを通じて理解が深まることは確かにあるのだろう。
さらに、ウェブサイトで利用するだけでなく、Google Chrome用の拡張機能も用意されている。さらにThe Washington Postのサイトにも、このSideways Dictionaryの機能が組み込まれている。
ちなみに、紹介した比喩はいずれもNick Asburyが記したものとなっている。これをみてすでにおわかりかもしれないが、利用者も自ら作った比喩表現による定義を投稿することができるようになっている。また、閲覧者はそれぞれの記述について投票することができるようにもなっている。
「技術系の用語をきちんと理解することで、身の回りで活用されているテクノロジーをより深く理解することができるようになります」と、Jigsawのマーケティング部門のヘッドであるAlfred Malmrosは言っている。「テクノロジーが生み出す素晴らしいイノベーションについても、仲間内だけで通じる用語を使って説明してしまうことで、本来の魅力を十分に伝えられないということが多くあります。そうした状況を変えるのに、Sidewaysが役に立てればと思っているのです」。
ちなみにJigsawは先月、コメント欄にあふれるゴミを浄化するためのPerspectiveなるプロジェクトも発表している。
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(翻訳:Maeda, H)