Zūmは学区と家族のために生徒輸送サービスを提供しているスタートアップだ。同社は、自社が運行してする電動スクールバスを使って、一番必要とされているとき、電力を送電網に戻す仕組みを考えている。
同社はエネルギー管理・配給ソフトウェアを提供しているAutoGrid(オートグリッド)と提携して、Zūmの電動スクールバス群団を世界最大級のバーチャル発電所に変えようとしている、と同社の声明に書かれている。Zūmの最終目標は、1ギガワットのエネルギーを送電網に戻す能力を備えることだと会社はいう。LED電球1億1000万個あるいは30万世帯に必要な電力量だ。しかしZūmはそれに必要なバス1万台のゴールにはまだ程遠い。現在同社の保有するバスのうち電動車はわずか10%で、これは供給不足のためだとCEO兼共同ファウンダーのRitu Narayan(リツ・ナラヤン)氏がTechCrunchに話した。
「スクールバスは最も最大の車輪つきバッテリーです」とナラヤン氏は言った。「興味深いのは、夜間や夏季といった電力需要のピーク時にはバスがあまり利用されていないことです。だから私たちの大きな目標は、昼間にバスを運行することだけではないのです」。
この提携の適用範囲は、スクールバス群の創造的な他目的利用にとどまらず、電気自動車産業全体に広がりつつある。EV(電気自動車)保有者が増える中、Zūmなどの会社はますます困窮してる送電網におけるギブ・アンド・テイクの必要性を認識している。今週、電動モペッドのスタートアップ、Revel(レベル)がGridRewards(グリッドリワーズ)との提携を発表した。GridRewardsはAutoGridと同様のサービスを提供するアプリで、電動モペッドの充電スケジュールを調整することで必要な時に送電網に電力を戻すことができる。
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電動スクールバスはこの種のエネルギー・シェアリングにかつてなく大きな機会を提供する。バイデン政権は電動スクールバスに250億ドル(約2兆7500億円)投資する計画を提案した。現在50万台以上の黄色いスクールバスが毎日2700万人以上の生徒たちを運んでいる。
両社は、Zūmが206台のスクールバスを運行するサンフランシスコと70台運行しているオークランド統一学区で提携事業を開始する、とナラヤン氏は言った。Zūmは全国に事業を展開する野望も持っている。すでにカリフォルニア州の複数の学区とシアトル、シカゴ、ダラスと交渉中で、次はワシントンDCを狙っている。
「通学輸送のEV化は、地域が大気の質や生徒と地域住民のための環境衛生を改善する上で極めて重要な役割を果たします」と同氏は声明で語った。
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カテゴリー:EnviroTech
タグ:Zūm、電気自動車、バス、電力
画像クレジット:Zūm
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook )