15年前にインドで起業し、事業者が顧客とテキストを通じてやり取りするのをサポートしているスタートアップが米国時間4月8日、ユニコーンのステータスを獲得し、また黒字であることを明らかにした。
サンフランシスコ拠点のGupshupはシリーズFラウンドでTiger Global Managementから1億ドル(約109億円)を調達し、評価額は14億ドル(約1529億円)になった。
Gupshupは会話型のメッセージプラットフォームを運営しており、10万超の事業者やデベロッパーがユーザーや顧客にサービスを提供するためのメッセージや会話のエクスペリエンスを構築するのにGupshupを使っている。
2011年にシリーズEを完了し、これまでに計1億5000万ドル(約163億円)を調達したGupshupは、同社の顧客が毎月60億件超のメッセージを送っていると話す。
「メッセージと会話型エクスペリエンスのビジネス使用の増加は、事実上、あらゆる顧客接点を変革しているエキサイティングな現代のトレンドです」とTiger Global Managementのパートナー、John Curtius(ジョン・カーティス)氏は声明で述べた。「Gupshupは異なるプロダクト、クリアで持続可能なモート(堀)、確かな実績を持つ経験豊かなチームでこの分野で勝利を収めるユニークな位置につけています。マーケットリーダーシップに加え、Gupshupのスケール、成長、収益性の組み合わせが我々を引きつけました」。
しかし、インドの数千万のユーザーが異なる理由でGupshupを記憶している。Gupshupの創業後6年は、インドのユーザーが友人にグループメッセージを送れることで最も知られていた(これらの安いテキストと他のスマートなテクニックによって、10年前に何千万というインド人が電話で互いに連絡を取り合っていた)。
そのモデルは結果的に維持できなかった、とGupshupの共同創業者でCEOのBeerud Sheth(ビールード・シェス)氏はインタビューでTechCrunchに語った。
「そのサービスを続けるために、Gupshupはメッセージ料金を負担していました。当社はモバイルオペレーターに費用を払っていました、一度スケールを拡大すれば、そうしたメッセージに広告を掲載するという考えでした。要するに、メッセージの量が増えるにつれ、オペレーターは価格を下げると思っていましたが、実際はそうではありませんでした。また、規制当局はメッセージに広告を掲載することができないと指摘しました」とシェス氏は回顧した。
そうしてGupshupは方向性を変えることにした。「当社はメッセージの費用を持つことも、ユーザーベースで収益化を図ることもできませんでした。しかし高パフォーマンスなメッセージのための高度な技術を持っていました。それで、当社は消費者モデルから法人モデルへと転換しました。高度なレベルのメッセージを送る必要があり、その費用を払える銀行やeコマース企業、航空会社などへのサービス提供を始めました」とシェス氏は話した。同氏はフリーランスワークプレイスElanceを1998年に共同で創業してもいる。
Gupshupは新しいメッセージチャンネルへと拡大してきた。ここには会話型のボットが含まれる。また、事業者が顧客に対応するのに自分たちのWhatsAppチャンネルを準備して運用するのをサポートしている。
シェス氏は、銀行、eコマース、旅行、ホスピタリティ、その他の部門の大手企業の多くがGupshupのクライアントだと話した。これらの企業は、顧客に決済情報や認証コードなどを送るのにGupshupを使っている。「これらは広告的なメッセージでもなければ販促のメッセージでもありません。コアなサービス情報です」と述べた。
年間ランレート1億5000万ドル(約163億円)だったGupshupは、提供するサービスを拡大し、さらに多くのマーケットで顧客を取り込むのに新たに調達した資金を使う。10年前にインドで目にした似たような事業者のユースケースが多くの新興マーケットで展開されていて、ビジネスメッセージプラットフォームにとって成長機会が広がっているとシェス氏は話した。
「Gupshupの使命は事業者がモバイルメッセージと会話型のエクスペリエンスを通じて顧客対応をさらに良いものにするのをサポートするツールを構築することです。使命を達成すべく取り組む中で、イノベーティブでカテゴリーを定義づけるような世界中の企業に多額かつ堅牢、成功的な支援をしてきた経歴を持つTiger Globalから出資を受けられることをうれしく思います」と述べた。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Gupshup、インド、ユニコーン、資金調達、メッセージ
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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi)