1日70円傘シェアのアイカサが西武池袋線・池袋駅〜飯能駅に配備完了、新宿線に続く快挙

傘を1日70円、1カ月最大420円でレンタルできる「アイカサ」のサービスを提供しているNature Innovation Groupは6月1日、西武鉄道沿線のアイカサスポットを拡充したことを発表した。西武鉄道と同社グループの不動産会社である西武プロパティーズと共同で、西武池袋線の池袋駅〜飯能駅までの全駅と、豊島線の豊島園駅にアイカサスポットが設置される。なお、アイカサのサービスは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で現在はサービスを休止しており、サービス再開は6月8日となる。

西武池袋駅の改札内に設置されるアイカサスポット

西武鉄道ではすでに、新宿線の西武新宿駅〜本川越駅の全29駅にアイカサスポットが設置されており、今回池袋線の全31駅中の26駅に拡充されることになった。ちなみに、飯能駅以西の駅(東飯能駅、高麗駅、武蔵横手駅、東吾野駅、吾野駅)は西武秩父線とセットで運転されており、西武池袋駅始発や東京メトロ経由の電車は、西武秩父行きの特急電車「Laview」と土日祝に西武秩父と元町・中華街を直通運転するS-TRAINを除くと、大半が小手指、急行電車などは飯能が終着駅だ。

2020年3月14日に実施されたダイヤ改正以前には、土日祝のみ西武池袋線、西武秩父線を経由して秩父鉄道の三峰口駅・長瀞駅まで直通する池袋駅始発の快速急行が運行されていたが、現在は秩父鉄道に直通する電車は飯能駅始発に変わっている。なお、飯能駅からはスイッチバックして東飯能以西に向かうため、先頭車両が最後尾車両となる。

以上の状況を踏まえると、アイカサは西武池袋線の通勤路線を実質制覇したと言えるだろう。

そして今後期待されるのが、西武池袋線から他社路線への波及だ。池袋線は練馬駅から池袋方面へ向かう東方向で西武有楽町線に分岐し、小竹向原駅を経由で東京メトロ副都心線・有楽町線に直通する電車が多い。さらに有楽町線は、西の終点である和光市駅で東武東上線と接続しているほか、朝夕には終点の和光市駅を経由して東武東上線の川越市駅や森林公園駅まで直通する電車もある。さらに東京メトロ副都心線は渋谷駅で東急東横線と直通しており、その東急東横線も横浜駅で横浜高速鉄道みなとみらい線に直通している。

首都圏の鉄道各路線では、JR東日本、京浜急行電鉄本線、小田急小田原線、都営地下鉄三田線・新宿線などの一部の駅でアイカサスポットの導入実績があるものの、東京メトロや東武鉄道、東急電鉄の各駅には本格展開していない。ただし東急については、2019年5月に東横線・田園都市線渋谷駅の地下1階にある外国人観光客向けの観光案内所に試験導入されたことはある。

西武池袋線への導入をきっかけにして首都圏の鉄道網にサービスを拡大していくことを大いに期待したいところだ。

新型アイカサスポットでは、掲示されているQRコードを読み取るか専用のスマートフォンアプリとのBluetooth通信による認証で傘の利用や返却が可能になる

アイカサは2018年12月に東京・渋谷エリアから始まった、1日70円で傘を借りられるサービス。専用アプリのインストールは不要で、LINEでアイカサと友だちになることですぐに使えるのが特徴。アイカサスポットに用意されているQRコードをスマートフォンで読み取るか、スマートフォンの専用アプリをかざすことで傘の解錠が可能になる。2020年5月28日時点でのアイカサの登録人数は9万4417人、2020年6月1日時点でのアイカサスポット数は500カ所と。なお専用アプリは、6月8日のサービス再開に併せて登場する予定だ。

同サービスでは傘を借りると1日ごとに70円が加算されていくが、6日以降から1カ月間は420円。ゲリラ豪雨など想定外の雨であっても、コンビニエンスストアで傘を購入するより安価に利用できる。傘の返却は最寄りのアイカサスポットに返却すればいい。決済方法は、クレジットカードのほかLINE Payを選べる。

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TechCrunch Japan

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