Adobe Lightroom、Sensei AIを利用して写真を改善――CC、Classicとも「自動設定」追加ずみ

今日(米国時間12/12)、Adobeは各種アプリでアップデートを実施した。この中には写真の現像と管理のための人気アプリ、Lightroomに対するメジャー・アップデートが含まれる。Adobeは写真の編集・調整に機械学習を利用した自動設定機能を追加した。

新しい自動設定はAdobeのSensei AIテクノロジーを用いてユーザー写真を分析し、プロが編集した似た写真(おそらくAdobe Stockの写真が含まれるのだろう)と比較して、写真を改善するために最適の編集設定を探し出すというものだ。

このアップデートは最新のLightroom CC、Lightroom CC for iOS、 Lightroom CC for Android、 Lightroom CC on the web、Lightroom Classic、 Adobe Camera Raw (ACR)で行われた〔日本語版もアップデートずみ〕。

こうしたAI利用ツールの追加は各種サービスにいっそう高度な判断機能を加えていくというAdobeの全社的戦略に合致するものだ。今年開催されたAdobe MAXカンファレンスでCTO、Abhay Parasnisは「Adobeは総合的なAIを構築することには興味がない。しかしデザインやイラストレーション、ビデオの制作にあたってクリエーティブなプロフェッショナルがどんな表現を求めているかについてわれわれには深い理解がある」と指摘した

つまりここ数十年にわたるクリエーティブな領域における知識を活用しようというのがAdobeのAIプロジェクトが目指すビジョンだという。Paransnisは「この分野で最高のアーティストが写真に適切な設定を加えるためにPhotoshopeで何時間も費やしている。しかしアーティストには他にやるべきことが多々あるはずだ。われわれは最近の深層学習の進歩を利用し、クリエーティブなプロフェッショナルの効率的なパートナーとなることを目指した」という。

Lightroomがデスクトップでの利用を中心とする従来型のLightroom Classicとクラウド中心のLightroom CCに分割されて以来、今回が最初のメジャーアップデートだ。クラウド型のLightroom CCにはこれまでトーンカーブ調整などいくつかの機能が欠けていたが、今日のアップデートでそれも解消された。これでLightroom CCは名実ともに写真処理でもっとも頻繁に使われるツールの地位を取り戻すだろう。また新しいLightroom CCには新しいフルスクリーン表示やタイムゾーンをまたいで旅行した場合、写真のタイムスタンプを自動的に調整する機能も追加された。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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