どこよりも使いやすいEC運営支援ツールを――福岡発のPearが約3500万円調達

EC事業者向けの支援ツールを開発するPearは12月13日、BEENEXT大和企業投資F Venturesの3社を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額約3500万円を調達したと発表した。今回の資金調達はPearにとってシードラウンドの位置づけで、同社初の外部調達となる。

写真中央がPear代表取締役の島井尚輝氏

福岡発のスタートアップであるPearは、複数のプラットフォームにまたがるEC運営の一括管理ツール「OMNI-CORE(以下、オムニコア)」を開発するスタートアップだ。

Pear代表取締役の島井尚輝氏が「使いやすさを重視した」と話すオムニコアでは、ITリテラシーが低いユーザーでも簡単に使いこなせるようにUI/UXを最適化している。同ツールを導入すれば、楽天市場やAmazonなど複数のECプラットフォーム間での在庫管理や注文管理、出品管理などを一括して行うことができる。

また、このような“管理”の機能のほか、簡単な質問に答えていくだけで自身のEC店舗が抱える問題点を明らかにし、それに対する解決策をタスクとして提案してくれるなど、“ECコンサルティング”の機能も備えていることが特徴的だ。

「EC運営を始めたばかりの人は、そもそもツールの使い方が分からなかったり、何から手をつけていいか分からなかったりするケースが多い。高度なコンサルティングを提供する事業者はいるが、このような初歩的な問題はシステムによるコンサルティングで解決することができる」(島井氏)

現在はベータ版を公開中のオムニコアだが、正式リリース後にはフリーミアムモデルでマネタイズを開始する。月商にして30万円以下のユーザーには前述したコンサルティング機能を無料で提供し、月商が増えるにつれて必要になる機能を有料で開放していく仕組みだ。高機能版の料金は月額2〜5万円程度になるようだ。

EC運営の一元管理ツールは、Hameeの「ネクストエンジン」やハングリードの「item Robot(アイテムロボ)」などが先行する分野だ。オムニコアはそれらの競合ツールに対し、独自のコンサルティング機能や使いやすさに注力することで差別化を図るという。

学生時代からWebサービス開発

Pearは2017年8月の創業。代表取締役の島井氏は学生時代から複数のWebサービス開発を手がけ、学園祭情報サービスの「学フェス」などをリリースした。これは、学園祭の実行委員がイベントをPRする場であり、学園祭を訪れたユーザーは、学フェスを使って学園祭内の催しモノや出店の場所を確認できるというサービスだ。登録ユーザーも2万人を超していた。

ただ、島井氏がこのサービスを持ち込んで東京のVCの前でプレゼンしたところ、「こんなんじゃ儲からない」と一蹴されてしまったそうだ。マネタイズする相手が学生だという点が気に入らなかったらしい。

学フェスでは出資を断られてしまったが、次にEC分野へと焦点を定めた島井氏は大学卒業後にオムニコアを自らの手で開発。チームメンバーも創業4ヶ月にして20人にまで拡大し、シードラウンドでの出資を勝ち取った。島井氏にとってある意味ではリベンジとも言えるオムニコアの正式リリースは、2018年春を予定している。

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TechCrunch Japan

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