AI利用の雇用市場分析でイスラエルのRetrain.aiが約14億円調達

イスラエルを拠点とするretrain.aiは、AI(人工知能)とマシンラーニングを利用して求人掲示を大量に調査し雇用市場の動向を分析しているが、今回はSquare Peg率いるシリーズAでは900万ドル(約9億8000万円)を調達した。2020年の400万ドル(約4億3000万円)のシードラウンドは未発表(Hetz Venturesが主導し、TechAvivと.406 Venturesが参加)だったため、retrain.aiは合計1300万ドル(約14億円)を調達したことになる。ライバルには5660万ドル(約61億円)を調達したPymetricsや、1億7680万ドル(約190億円)を調達したEightfold.aiなどがある。

今回の資金調達に加えて、retrain.aiはイスラエル労働省との間で最初の契約を結び、パンデミックにより変化する同国の雇用市場の変化について調査を行う契約を結んだ。

テクノロジーが従来の労働市場を侵食する中、retrain.aiのプラットフォームはどのような仕事が広告されているか、あるいはどのような仕事の人気が下がっているかを調べ、新しい仕事がどこから現れるのかを早期に警告できるという。これは、大規模な組織や政府の政策形成に役立つ。

retrain.aiのCEOはShay David(シェイ・デイビッド)博士で、同氏はビデオエンタープライズのリーダーであるKalturaを共同設立したことで知られており、2007年にはTehcCrunch初のカンファレンスにも登壇した。COO(最高執行責任者)にはIsabelle Bichler-Eliasaf(イザベル・ビヒラー・エリアサフ)氏、CTO(最高技術責任者)にはAvi Simon(アヴィ・サイモン)氏が就任している。

デイビッド博士は「かつては労働力の定期的な変化が大きな流れに発展し、特に新型コロナウイルスがその労働市場への大きな影響を顕著に示し、警鐘となりました。失業と不完全雇用は、今後数十年のうちに世界中で10億人もの人々に影響を及ぼすでしょう。私たちのビジョンは、2025年までに1000万人の従業員が適切な職に就けるよう支援し、組織が変化の波の中を効率的に進むのを支援することです」と述べた。

retrain.aiは、Square Pegによる4億5000万ドル(約490億円)規模の新ファンドによる最初の投資となる。同VCはこれまでにCanvaやStripe、Fiverr、Airwallexに投資していた。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:retrain.ai機械学習資金調達

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。