AI駆使で要介護者見守りや在宅透析治療管理、学生スタートアップが8000万円調達

METRICA(メトリカ)は、インキュベイトファンドとライフタイムベンチャーズ、およびエンジェル投資家を引受先とした第三者割当増資などにより、総額8000万円の資金調達を完了した。

METRICAは、慶應義塾大学に通う現役学生である西村宇貴氏らが立ち上げた医療系スタートアップ。高齢化により医療に対する需要が高まっている半面、国内の約40%の病院が赤字経営。しかも医師や看護師、介護士の労働時間は一般企業に比べて極めて長時間。そのため人件費がかさむ。同社は、この悪循環をAIを駆使して解決することを目指す。

人手不足を補う手段の1つとして海外からのスタッフの受け入れがあるが、言語の問題で情報の共有が難しい。そこでMETRICAは、外国人介護スタッフ向け電子介護記録を開発。具体的には、医療・介護向けにチューニングした自動翻訳機能を備えた介護記録アプリと、サーバーサイドでの翻訳精度の学習機能により、情報の共有を容易にする。

要介護者がベッドにいるか、部屋にいるか、どれぐらいの速度で歩いているか、きちんと歩けているかなどをカメラとAIを駆使して分析し、転倒や夜間の離室、認知症による異常行動を検知するシステムも開発中だ。これにより、介護士が常時監視しなければならない精神的負担を軽減するという。

さらに近年増加傾向にある透析患者向けのソリューションもある。知的財産権を申請中とのことで具体的な仕組みは不明だが、在宅での腹膜透析をAIを利用して効率的に管理するシステムを開発中とのこと。

METRICAでは今後、これらのプロジェクトを提携パートナーと進めていくとのことで、今回の資金調達は開発チームを強化するための人材募集にあてる。

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TechCrunch Japan

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