AmazonはユーザーがAmazonのサイトで欲しい商品を発見し、欲しいものリストに簡単に追加できる新しい機能、Amazon Streamのテストを行っている。このページでは、商品の写真がグリッド状に並べられ、ユーザーは男性用か女性用、あるいは両方の商品を閲覧し、ボタンをクリックして、自分のコレクションに保存することができる。このページに特集される商品は毎日更新され、スポンサー商品で構成されていると記されている。
このサイトは、新プロダクトの発見サイトProduct Huntに週末に登場した。Streamには荒削りの部分も目立ち、Amazonからの公式な発表もないので、まだ開発途中だと考えられる。
ただAmazon Streamは、これまで注目を集めることはなかったが、数ヶ月以上前から運営していると私たちは把握している。
Amazonに問い合わせた所、Amazonは現時点ではまだこのサイトに関する詳細を公表する準備は整っていないとしたが、この新しいプロダクトに対するカスタマーのフィードバックは歓迎すると話した。「私たちは、カスタマーの買い物体験をより良くする方法を常に検討しています」とスポークスマンは伝えた。
現在Amazon Streamに掲載されている商品は、「女性用」、「男性用」と「保存したもの」でしか分けることができない。商品カテゴリー、価格帯、評価や他の要件では分けられない。AmazonのギフトショップのキュレーションサイトCanopyの簡易バージョンのようだという声もある。あるいは、オンラインショッピングでの画像の強化でPinterestと対抗しようとする試みなのかもしれない。
AmazonがPinterestに勝負を挑んだのは今回が初めてではない。2013年、AmazonはAmazon Collectionsを発表した。Amazon Collectionsは画像を多く掲載していて今回のサイトより目を引くものだった。買い物客は、新しい商品を発見し、保存し、共有したり、他のユーザーをフォローすることで、彼らが保存した商品も閲覧したりすることができた。Amazon Collectionsは、Pinterestでもピンボードを作成し、自社の商品リスト(コレクション)を掲載し、ユーザーは気に入った商品をお気に入り登録することもできた。しかし、Amazonの通常のウィッシュリストとは連動していなかった。
Amazon Streamでも同様に、ユーザーは好きな商品を保存するとサイトの「My Save(保存したもの)」のセクションに追加される。これもAmazonのウィッシュリストには追加されず、Amazon Streamのみでしか閲覧できない。
今の時点でAmazon Streamは、Amazon.comの大量の商品群を閲覧できるような便利なものであるとは言えない。個人のアカウントの買い物履歴を考慮し、各個人に最適化した体験も提供していないようだ。商品をソートするためのツールも不十分で、どのような基準で商品が選ばれているのかもユーザーにとっては不明瞭だ。(広告なのかもしれない。Amazonは回答しなかったが、ページの上部に「これらはスポンサー商品です」と記されているので、掲載料がかかっていると考えられる。)
商品はファッションを中心としたものが多く、お手頃な洋服やアクセサリー、靴から、もう少し高額な500ドルの時計や250ドルのシャツなども掲載されている。ハイエンドの高級品の掲載はないようだ。
Amazonはここ数年、ユーザーの自社サイトでの買い物を助けるためのツールをいくつも試してきた。例えば、2008年には、Amazon Windowshopでグリッド状に店舗を表示したり、数年後にはAmazon Flowに拡張現実の機能を加えたりした。また、Facebookの情報を連携することでソーシャル機能も入れる試みがあった。Facebookで友人の誕生日や、友人が誕生日に欲しいものを学習する機能だ。もちろんAmazon Collectionsもその内の一つだ。
これらの実験的なサービスのいくつかは既に閉鎖している。Amazon Collectionsも最近閉鎖したばかりで、アクセスしようとすると今はウィッシュリストにリダイレクトされる。AmazonもCollectionsは閉鎖したことを認め、「検証用でした」と伝えている。
Amazon Streamは、amazon.com/streamから利用することができる。
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