Amazonが広告付き音楽ストリーミングサービスを米、英、独で無料提供

Amazon(アマゾン)は音楽ストリーミングサービスを無料にする。同社はこれまでAmazon Echoデバイスを所有している人だけに広告付きのストリーミングを無料で提供してきた。そして今回、この無料サービスの対象を、米国、英国、ドイツのAmazon Musicアプリ(iOS、Android)、Fire TV、ウェブ版Amazon Musicに広げる。

Amazonは料金を下げながら着実に音楽サービスを利用しやすいものにしてきた。例えば今年初めAmazonは、 Amazon Music UnlimitedからEchoデバイスへのストリーミングや、200万曲が聴けるPrime Musicにアクセスするのに Amazon Primeの料金を払っている顧客に課していた3.99ドル(約430円)を今後はチャージしないと発表した。そしてEcho所有者向けに広告付きの無料Amazon Musicの提供を始めた。このサービスのカタログには基本的にPrime Musicと同じ200万曲があり、ただ広告が入るだけで、プライム会員である必要はない。

このAmazon Musicをいま、Echo所有者に限らず誰でもあらゆるデバイスで無料で利用できるようにする。Pandoraと同じようにユーザーは曲、アーティスト、時代、ジャンルに基づいて何千ものステーションをかけることができる。また世界のトップソングを特集した「オールヒット」などのトッププレイリストや、「休日のお気に入り」といったステーションを利用することもできる。

Amazonの無料サービスのカタログは小さいので、このAmazonの動きは、SpotifyやPandoraのプレミアムサービス、Apple Musicといった有料購読サービスを脅かすものではない。また、SpotifyのDiscover Weeklyや他のカスタムプレイリストを支えているパーソナライゼーションテクノロジーという点でもさほど進んでいるわけではない。こうした機能は音楽ファンを引きつけるものであり、サービスを選ぶ基準となっている。

その代わり、Amazonの無料音楽サービスは、広告なしにするためにプライム会員になるよう促すことで消費者により高額なサービスを販売する手法となる。(Prime Musicの200万の曲はプライム会員にサービスとして付いてくる)。そしてAmazonの真意は次のとおりだ。Amazonプライムに多くの客を取り込み、送料無料や他のメリットの価値を認識させることで、Amazonプライムを毎年更新してもらうこと。一度プライム会員になれば、よりAmazonで買い物するようになり、Amazonはもうかる。

無料の音楽サービスはまた、Amazonのより広い音楽エコシステムへの入り口にもなる。もし利用者が広告なしで多くの音楽を楽しみたいと思ったら、Amazon Music Unlimitedに切り替えることができる。このサービスは5000万曲を有し、プライム会員向けに月7.99ドル(約860円)で、非会員向けには月9.99ドル(約1100円)で提供されている。真のオーディオファイルで楽しみたい人はAmazon Music HDにアップグレードでき、こちらはプライム会員向けに月12.99ドル(約1400円)、非会員向けには月14.99ドル(約1600円)で提供されている。Amazonは目下、4カ月のAmazon Music Unlimited利用料金を0.99ドル(約110円)としている。

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(翻訳:Mizoguchi)