Disrupt SF 2018はサンフランシスコで9月5-7日に開催――モスコーニ・センターに昨年の3倍のスペース確保

TechCrunchの数々のイベントの中でもフラグシップとなるのが毎年サンフランシスコで開催されるDisrupt SFだ。昨年9月に開催されたDisrupt SF 2017は参加者5000人、投資家とファウンダーのミーティング1220回、出展スタートアップ500社という新記録を作った。オンラインの視聴者は100万単位となった。なにより重要なことは、アーリーステージのファウンダーと投資家が共にDisruptに対してわれわれが望むとおりの点を評価してくれたことだろう。つまり「スタートアップが優れたものになることを手助けする」という目標だ。

Disrupt SFに唯一足りないものがあったとすればスペースだ。 スタートアップはデモブースをさらに必要としていた。ファウンダーはさらに多様なワークショップを求めていた。TechCrunchの編集部でもさらに数多くのプログラムを提供したかった。全員がもっといい仕事ができるスペースを求めていた。

2018年の9月5日から7日かけてTechCrunchはサンフランシスコを代表するコンベンションセンター、Moscone Center WestでDisrupt SFを開催する。これまでのどのDisruptと比較してもスペースは3倍以上となり、アメニティーも完備している。快適なカンファレンスとなるはずだ。

これまでにさまざまな興味深い施設でDisrupt SFを開催してきた。今は閉鎖されてしまったDesign Centerのコンコースや旧埠頭、ドッグパッチ地区のPier 70、チャイナベイスン地区のPier 48などだ。こうした施設は無駄を省き成果だけを直截に求めるリーンなスタイルを象徴していたと思う。その点ではやや懐かしくもあるが、貧弱な空調や仮設トイレの列などはありがたくなかった。

今年のDisrupt SFで追求するのはいっそう優れたカンファレンス体験だ。

スペースの問題がクリアされるのでいっそう多くのスタートアップが参加できる。AI、CRISPR、ブロックチェーンや暗号通貨、モビリティ、AR/VR、自動運転車、ロボティクス、航空宇宙など注目を浴びつつある新たなテーマを深く掘り下げるべく、多彩なプログラム、ワークショップやデモが準備されている。もちろんスタートアップの主戦場であるカテゴリー、エンタープライズ、eコマースなどにも従来どおり力を入れていく。

今年のDisruptでは参加者が自由に使えるスペースを多数用意している。シリアスなビジネス交渉に使うもよし、たまったメールをチェックしたり、単にコーヒーを飲んで一息入れるのに使ってもよい。われわれが大小のイベントを開催する中で気づいたことは、こうしたイベントはおよそ普段交流がなさそうな多様な層の人々を出会わせるということだ。そうして重要な議論が深められたり、思いもよらない契約のきっかけとなったりする。今年のDisruptでは参加者がそれぞれの目的のため必要なスペースを提供できるはずだ。また独自のランチミーティング、レセプション、専用ラウンジを用意したい会社の便宜も十分に考慮している。

規模が拡大することの利点にはチケット価格もある。従来よりも多様な価格でチケットが入手できるようになる。さらに広い層からの参加を期待している。

Disrupt SF 2018は昨年とくらべて2倍の参加者を集めるはずだ。しかし同種の他のカンファレンスとくらべてDisruptは独特の親密な空気を保っている。どのDisruptであれ、参加者は集中的かつ快適なカンファレンス体験を得られるものとわれわれは確信している。またDisrupt独特のサイド・プログラムとして、ファウンダーと投資家を引き合わせるCrunchMatchは今年も用意される。また参加者が講演者とモデレーターを介してディスカッションできるプログラムやスタートアップがステージでコンパクトなピッチを行うShowcaseも用意される。

カレンダーに「Disrut SF 9月5-7日 Moscone Center」と記入しておいていただきたい。準備状況その他最新のニュースを受け取りたい場合、こちらに登録できる。

ここで2つのニュースをお知らせしなければならない。

過去8年、われわれはニューヨークでDisrupt NYを開催し、この地域のスタートアップ・エコシステムに貢献してきた。ただ、依然としてわれわれは比較的小規模なリーンなチームであるため、エネルギーをどこに集中すべきか、その選択が重要なものとなる。今年われわれはアメリカ全土で規模最大、テーマも広汎なDisruptを開催することとした。TechCrunchにとってニューヨークは重要かつお気に入りの街なのでこの決定は辛いものがあったが、今年われわれは残念ながらDisrupt NYを開催しない。大勢のニューヨーカーが9月にサンフランシスコを訪れるよう期待する。

昨年12月4日、5日にベルリンでDisrupt Berlinが開催され好評を得た。TechCrunchは今年もヨーロッパでDisruptを開催する。準備が進めばその都度発表したい。

2つ目のニュースだが、Crunchies賞は引退する。TechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonが10年前に創設したどちらかといえば軽い意味あいのイベントだが、熱心なCrunchiesファンには今年以降開催されないというのはショックかもしれない。われわれもいささか寂しく感じてはいるが、Crunchiesが生まれた頃、スタートアップは数も少なく、サンフランシスコ周辺でさえスタートアップ・コミュニティーは互いに知り合えるような社交行事を必要としていた。Crunchiesはこの必要性を満たす親しみ深いイベントとなった。しかし今日ではスタートアップは世界中で生まれており、「今年のベスト・スタートアップ」や「今年のベスト・ベンチャーキャピタリスト」を決めるというのは、率直に言って、われわれには答えられない質問となってしまった。

Crunchiesの10年間で誰が何を何年に受賞したかというのはトリビア・クイズのかっこうの問題になるかもしれない。2007年にベスト・プロダクト賞を得たのは何だったか? 答えは―AppleのiPhoneだった。これだけ言えば十分だろう。『2001年 宇宙の旅』の猿人をモチーフにしたCrunchie Monkeyのトロフィーの価値はBitcoinも同様永続すると思う。しかも今後増えることはないのでますます希少となる。

最後になったが、われわれはStartup Battlefieldを各地で開催している。NFLと提携して NFL at Stanfordを、またケニアではNairobi with Facebookを、オーストラリアではSydney with Elevacaoを開催した。

Disruptとは別にBattlefieldを開催するのは、特定の分野や地理的に遠くはなれた場所のスタートアップ・シーンを手助けするのが狙いだ。2018年にはBattlefieldもいっそう拡大していく。公共政策と司法制度ロボティクスなど重要な問題について1日かけて深く検討するTechCrunch Sessionsは今年も開催される。こちらも期待していただきたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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