途上国のユーザーと広告費を追い求めるFacebookの成長が止まらない。今日同サービスはユーザー数15.9億人を達成し、2015年Q4決算は、売上58.41億ドル、1株当たり利益0.79ドルでウォール街の予測を粉々にした。前四半期はユーザー数15.5億人、売上45億ドルだった。Q4がホリデーシーズンを含むことを考えても、四半期伸び率29.8%は驚異的であり、前年同期比は51%に上る。
Facebookの月間アクティブユーザー数(MAU)の成長は、対前期比2.58%増で、4.02%という並外れた成長を見せたQ3からはやや減速した。これはFacebookが一部の市場で飽和点に達しつつも、多くの途上国で成長の余地がまだまだあることを示している。
月間ほど派手な数字ではないものの、日間アクティブユーザー数(DAU)はFacebookの発展を占うには優れた指標だ。FaceookのDAUは10.4億人で、Q3の10.1億人から2.97%アップした。DAU対MAU比(粘着率)は65%を維持している。これは、サービスが熟しつつある中でもユーザーの訪問率が落ちていないことを意味している。
モバイルはついにFacebookの広告売上の80%に達した。Q3は78%だった。総売上のうち56.3億ドルが広告によるものであり、Facebookの古き支払いビジネスは影をひそめた。「モバイルのみ」ユーザーは8.27億人と、前期の7.23億人から13.2%急増した。途上国におけるFacebookが、フルサイズコンピューター世代をほぼスキップして成長している証だ。
[Update: Mark Zuckerberg also released a slew of new stats during the Q4 Earnings call:
- 1億時間:1日当たりのビデオ視聴時間
- 10億人:グループに所属しているユーザー数
- 800万人:Facebook Liteユーザー
- 5億人:イベントを利用したユーザー
- 1.23億イベント(2015年)
- 5000万社:Facebookページを利用している中小規模企業
Facebookは250万の広告主を擁し、Facebookページを利用する中小企業は前期の4500万から5000万社に増えた。これらのページにはユーザーが何十億ものコメントを残しており、Messengerを消費者と企業を結ぶ新しいコミュニケーションや苦情申し立ての方法にしようとしているFacebookの計画とよく一致している。
アナリストは、Facebookの売上を53.7億ドル、EPS 0.68ドルと予測していたが、Facebookはこうした予測を粉砕した。eMarketerによると、2016年にFacebookは米国ディスプレイ広告で98.6億ドルを獲得すると見られている ― これは米国ディスプレイ広告売上全体の30.6%にあたる。Facebookの株価は、決算報告前の通常取引終了時に94.45ドルだったが、時間外取引では6.7%高の100.71ドルとなっている。
Facebookはユーザー1人当たり平均売上をQ3の2.97ドルから、25.5%増の3.73ドルへと引き上げた。これは前年Q4の28.1%増にあたる。Facebookは、発展途上の「世界のその他」地域で著しく売上を伸ばし、ユーザー1人当たり1.22ドルは、対前期比、対前年同期比共に29.8%増だった。
FacebookのQ4の設備投資額は6.92億ドル、フリーキャッシュフローは21.4億ドルだった。2015年通年で、Facebookの売上は179.3億ドルと対前年比は驚異の44%増、利益は36.9億ドルだった。
なぜFacebookはこれほど好調なのか?
途上国の収益化が大きな役割を果たしている。去る2012年Q1、Facebookは「世界のその他」地域でユーザー1人当たりわずか0.32ドルしか稼いでいなかった。今はほぼその4倍である。これらのユーザーは、回線速度が遅く、旧式のスマートフォンや多機能電話を使い、購売力も大きくないにもかかならず、Facebookは広告主を説得し、彼らへのリーチに金を出させている。
決算電話会見でFacebookは、ビデオがエンゲージメントとサイト滞在時間の推進力であることを認めた。Facebookでは毎日5億人のユーザーが80億本のビデオを視聴しており、1日当たりビデオ視聴時間は1億時間に達する。その結果Facebookはニュースフィードにビデオ広告を差し込むことが可能になり、1本ビデオを見た後にはおすすめビデオも表示している。
今期FacebookはInstagram広告からも好調な売上が期待されており、売上に貢献する可能性がある。Messengerが欧米チャットアプリの中で支配を続けていることでも、ユーザーをFacebookファミリーアプリの中に囲い込むことに成功している。
Instant Articleも一役買っている。これは視聴者がニュースフィードの外へ出ることを事実上防ぐもので、ユーザーがブラウザーにニュース記事が表示されるのを待つ間に逃げることがなくなる。読み終った後はそのまま”Facebooking”し続けて広告を見る。
将来Facebookは、Instant Articleのリッチメディア版として、高速表示でユーザーにクリックをためらわせない新たなInstant Adフォーマットを発明してブランドに提供するかもしれない。また先ほどFacebookは、モバイル広告ネットワークをアプリだけでなくモバイルウェブサイトにも拡張することも発表した。こうしてFacebookは、自社サイトに表示する広告を増やすことなくさらに売上を増やすことができる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)