Google(グーグル)は米国時間2月4日、2016年に買収したAPI管理プラットフォーム「Apgiee(アピジー)」の次期メジャーリリースとなる「Apigee X」を発表した。
「現在、私たちの周りに起きていることを見てみると、特に2020年3月に新型コロナウイルス感染流行が始まって以来、あらゆる種類の業界でデジタル活動の量が増え、あらゆる種類の活用事例が出てきています。そして、私たちが目にしていることの1つは、本当に高性能で信頼性の高い、グローバルなデジタルトランスフォーメーションプラットフォームの必要性です」と、Google Cloud(グーグルクラウド)のプラットフォーム責任者であるAmit Zavery(アミット・ザヴェリー)氏は筆者に語った。
同氏は、APIコール数が2020年より47%増加したことや、プラットフォームが年間約2.2兆件のAPIコールを処理するようになったことを指摘している。
今回のアップデートの核となるのは、Google CloudのAI、セキュリティ、ネットワーキングツールとのより深い統合だ。実際には、これによってApigeeのユーザーは、Google Cloudの24のリージョンにAPIをデプロイすることなどが可能になる。また、100以上のエッジロケーションで、Googleのキャッシングサービスを利用できるようになることを意味する。
さらにApigee Xは、GoogleのCloud ArmorファイアウォールおよびCloud Identity Access Managementプラットフォームと統合された。つまり、これによってApigeeのユーザーは、ファイアウォールやアイデンティティ管理のニーズに対し、サードパーティ製のツールを使用する必要がなくなるということだ。
「私たちはAI / MLベースの異常検知と運用管理を数多く行っています」と、ザヴェリー氏は説明する。「当社のAPIプラットフォームに多くの洞察を埋め込むことで、悪意のある意図や、APIコールやトラフィックに発生する可能性がある、あらゆる種類のものを予測することができます。私はこれを大きな改善だと考えています。特に運用管理、セキュリティ管理、脆弱性管理などの新機能を中核機能として提供することで、ビジネスとしてこれらすべてのことを心配する必要がなくなります。これはコア機能に付随するもので、デジタルフロントエンドのフロントドアが本当に輝く場所であり、顧客はそれに集中することができます」。
また、このプラットフォームは、GoogleのAI機能を活用して、ユーザーが異常を特定したり、ピークシーズンのトラフィックを予測したりするのに役立つようにもなる。ここでのアイデアは、顧客が標準の自動タスクの多くを自動化するのを支援し、もちろん、同時にセキュリティを向上させることである。
ザヴェリー氏が強調したように、API管理は今やアプリケーション間のトラフィックを管理するだけのものではない。Apigeeチームは、顧客のデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの管理を支援するだけでなく、「デジタルエクセレンス」と呼ばれるものについても考えている。「これは、単に『フロントエンドを持てる』ということだけでなく、顧客がやりたいと思っているすべての優れたことと、それをどうやって実現するかということを考えているということです」とザヴェリー氏は述べている。
「このような不確実な時代に、世界中の企業はAPI戦略を倍増させ、どこでも操作し、プロセスを自動化し、新しいデジタル体験を迅速かつ安全に提供するようになっています」と、Pitney Bowes(ピツニーボウズ)のチーフイノベーションオフィサーであるJames Fairweather(ジェームズ・フェアウェザー)氏は語る。「Apigee Xは、reCAPTCHA Enterprise、Cloud Armor(WAF)、Cloud CDNのような新しい機能でAPIを強化することで、我々のような企業がデジタルイニシアティブを拡張し、顧客、従業員、パートナーに革新的な体験を提供することを容易にしてくれるのです」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Google、Google Cloud、API、Apgiee
画像クレジット:Michael Short/Bloomberg / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)