人気の家系図作成・検索サイトMyHeritageが、本日MyHeritage DNAをローンチし、今後ユーザーは家族の歴史や民族性についてもっと深く知ることができるようになる。現在79ドル(送料別)で提供されているこのテストを行うと、詳細な民族性レポートが発行され、その中には自分の家族の民族的・地理的な起源が記載されているほか、もしもMyHeritageの利用者に血縁者がいれば、DNA分析の結果をもとに血縁者候補として表示されるようになっている。
MyHeritageのCEO兼ファウンダーのGilad Japhetは、DNAテストこそが未来の家系図だと信じている。さらに彼は、テスト自体は頬の内側をこするだけで済むため、1、2分程度ですぐに終わると話す。テストの結果が出るまでにはもう少し時間がかかり、MyHeritageのアメリカ国内にある研究所からは3〜4週間でテスト結果が返送されてくる。
現在同社には25民族の情報が登録されているが、今後なるべく早くこの数を100以上に伸ばしたいとMyHeritageは考えている(そしてMyHeritageがデータを収集するうちに、同社のDNAレポートも古いものからもっと情報量の多い新しいデータに更新されていく)。DNAデータベースの構築にあたり、MyHeritageは”Founder Population project”を実施中で、その一環として世界中にいるMyHeritageの既存ユーザーに、5000個の無料DNAテストキットを送付した。
MyHeritageは既に、8500万人の登録ユーザーから集めた21億人分のプロフィールと、70億件の歴史的な記録から成る巨大なデータベースを保有しており、新たなDNA情報を既存のデータベースと掛け合わせることで、もっと貴重な情報を得ることができるだろう。この2種類のデータを組み合わせることで、あるユーザーがギリシャ人とイタリア人の血を引いているというだけではなく、さらには昔その人の先祖がギリシャのあの島に住んでいたかもしれない、ということまで分かるようになればとJaphetは願っている。「例えばある人が私たちのテストを利用し、15%フィンランド人の血を引いていると分かれば、その人が寒い夜や雪の日を好きなのも納得がいくかもしれません!人はいつでも自分についてもっと知りたいと考えていますし、DNA分析はそれを知る上で大変優れた手段です」と彼は話す。
他社と比較してMyHeritageのDNAテストは、より詳細な情報を解析できると同社は考えているが、もしもユーザーが既に競合他社(Ancestryや23andMe)のテストを行ったことがあれば、その情報をMyHeritageのデータベースにインポートすることで、無料のレポートが発行される。
Japhetが強調するように、MyHeritageは自分たちのことをテック企業だと考えている。同社はこれまでに合計4900万ドルの資金を調達しているほか、Japhetによれば、年間売上は5000万〜1億ドルの範囲におさまる予定だ。また、MyHeritageはDNAテストの利用者を今後MyHeritageの有料ユーザーに引き上げることができると考えていることから、他社よりも安くDNAキットを提供しているとJaphetは語る。さらには、何千万人もいる既存ユーザーを、膨大な数のDNAテストの見込み顧客と考えることもできるため、マーケティングにもそこまでお金をかけてなくて済むだろう。
「DNAテストは、自分の家族の歴史についてもっと知りたいと考えている既存ユーザーばかりか、DNAから何が分かるのかについて興味を持っている若者という全く新しい層にとっても魅力的な商品です。DNAテストを使えば、ほとんど何もせずに自分の家族の歴史や民族性について知ることができるため、私たちは今後多くの新規顧客を家系図サービスに呼び込むことができると考えています。DNAテストと既存サービスの相乗効果は甚大で、有料サービスの販売や競合他社との差別化に一役買ってくれることになるでしょう」とJaphetは話す。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)