Netflix(ネットフリックス)は2021年初め、アプリ内でTikTok(ティックトック)のようなFast Laughs機能を立ち上げ、コメディ番組や即興お笑いスペシャルなどを会員に紹介する短編のおもしろい動画を提供してきた。そして今、アプリ内にあることが明らかになったKids Clipsを使って同様の機能を子ども向けに開発中で、今週中に提供を開始することを認めた。
この機能は、デベロッパーSteve Moser(スティーブ・モーザー)氏が発見したもので、Bloomberg(ブルームバーグ)が最初に報じた。モーザー氏は、NetflixのiOSアプリ内でこの機能に関する記述を発見したことをTechCrunchにも明らかにした。アプリのコードに記載されている説明によると、この機能は、若いユーザーが「テレビ番組や映画からの、面白くて、くだらない、音楽的な短編クリップ」を視聴するための方法だ(この機能の以前のバージョンでは「クリップ」を「ビット」と表記していたようだが、その後変更された)。
Netflixは TechCrunchにこの機能の存在を認め、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、英国、およびその他のすべての英語圏で今週から提供されると述べた。また、スペイン語圏のラテンアメリカ市場ではスペイン語の吹き替え、ブラジルではポルトガル語の吹き替えで提供される予定だという。
Netflixは以前、短編ビデオコンテンツに目を向けたのは、扱うコンテンツを会員に「楽しく、早く、直感的に」紹介するディスカバリー機能をより機能させるためだと説明していた。しかし、大人向けの既存のFast Laughs機能とTikTokアプリとの間には、顕著な類似点がある。どちらも縦長のフルスクリーンのビデオフィードと、右側に積み重ねられたエンゲージメントボタンを備えていて、ユーザーは反応を示したりやシェアしたりすることができる。しかし、TikTokとは異なり、大人のユーザーはコンテンツにコメントできない。その代わり、おもしろいコンテンツをNetflixの見たいものリストに追加できるボタンが用意されている。
新しいKids Clips機能は少し異なる仕組みになっている、とNetflixはTechCrunchに語った。
Kids Clips機能は、TikTokのような縦長のビデオフィードを提供する代わりに、タブ内ではなくフルスクリーンのウィンドウに表示される横長のビデオを表示する。クリップは自動再生されるが、保護者は設定でこれを無効にすることができる。クリップのセレクションは毎日更新され、予告編ではなく、Netflixの既存の番組を中心にキッズカタログの全コンテンツから選ばれる。ただし、子どものプロフィールに特定の成熟度設定がされている場合は、キッズクリップ機能はその設定を反映したものになるとNetflixは説明した。
展開するにあたり、この機能は10〜20個のクリップに限定され、画面の右上にクリップの数を示すカウントダウンが表示される。
Netflixの担当者は、この新しいクリップ機能によって、子どもたちが新しいコンテンツを発見したり、お気に入り作品の再視聴につながったりすることを期待していると話した。
この機能の目的は、主にカタログのディスカバリーに関連しているかもしれない。だが、TikTokのような動画アプリがモバイルデバイス上でユーザーの時間をより多く獲得していることも事実だ。例えば2020年のあるレポートによると、米国では、4〜15歳の子どもたちの1日の利用時間がYouTube(ユーチューブ)の85分に対してTikTokは80分と、YouTubeとほぼ同じであることがわかった。
Netflixがソーシャルメディアからアイデアを借りるのは今回が初めてではない。Netflixは以前「Previews」という独自の「Stories」機能を追加し、ユーザーに新しい番組や映画を紹介していた。
Kids Clips機能はiOSでのみ展開され、現時点ではまだ「テスト」とみなされている、とNetflixは述べた。
画像クレジット:Netflix
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)