SaaSアプリのセキュリティプラットフォームAdaptive Shieldが約4億円調達

テルアビブ拠点のセキュリティスタートアップAdaptive Shield(アダプティブ・シールド)が8月12日、ステルスモードから抜け出してVertex Ventures Israelがリードする400万ドル(約4億円)のシードラウンドを発表した。Adaptive Shieldのプラットフォームは、企業がセキュリティ問題対策としてさまざまなセッティングを定期的にスキャンすることでSaaSアプリケーションを保護するのをサポートする。

同社の共同創業者2人はイスラエル国防軍で出会った。そこで彼らはサイバーセキュリティについて訓練を受け、その後、Adaptive Shieldを立ち上げる前に数多くのセキュリティ企業で働いた。Proofpointでクラウド研究を率いていたAdaptive ShieldのCEOであるMaor Bin(マオール・ビン)氏は、取り組んでいる企業が少ない喫緊の問題としてSaaSセキュリティを掘り下げることに決めた、と筆者に話した。

写真は9つのアプリがAdaptive Shieldプラットフォームにモニターされている例。各アプリのトータルスコア、影響を受けているカテゴリーやフレームワーク、スタンダードが含まれる(画像クレジット:Adaptive Shield)

「周囲にある問題をみると、重要で緊急の問題を解決したいと思う」とビン氏は話した。「ビジネスアプリケーションよりも大事なものは何か。全ての情報がそこにあり、人々が毎日オンプレミスインフラをクラウドに移動させるのを目にしている」

企業が独自のセキュリティセッティングや利用者権限のあるさまざまな種類のSaaSアプリケーションを受け入れるにつれ、セキュリティチームは往々にして手一杯になるか、あるいはシステムオーナーではなく、アクセスすらできないかもしれないためにシンプルにこうしたSaaSツールにフォーカスしなくなる、とビン氏は主張する。

「あらゆる企業が今日、変幻自在のセキュリティリスクを解決せずにSaaSサービスをかなり使用している」とVertex Ventures IsraelのゼネラルパートナーEmanuel Timor(エマニュエル・チモール)氏は話す。「我々はこの複雑な問題を優雅に解決するAdaptive Shieldのビジョン、そして顧客の関心のレベルと素早いソリューション受け入れに感銘を受けている」。

オンボーディングは至って簡単だ、とビン氏は筆者に示した。SaaSアプリでユーザーを登録し、Adaptive Shieldを通じてサービスにログインする。同社は現在、GitHub、Office 365、Salesforce、Slack、SuccessFactors、Zoomなどを含む標準的なSaaS企業アプリケーションのほとんどをサポートしている。

「最も重要な差別化要因の1つは当社がサポートするアプリケーションの数だと考えている」とビン氏は述べた。

Adaptive Shieldはすでに有料顧客を抱え、ここにはさまざまな分野のFortune 500企業も含まれる。同社はまた、世界が新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに見舞われる前にクローズした資金の一部を、顧客のためのさらなるインテグレーション構築にすでに注いでいる。ラウンドがクローズするやいなや同社はすぐさま採用を開始し、現在は米国での販売を担う初の人材の採用プロセス中だ。

画像クレジット: Doron Letzter

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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