Stadium Goodsが2015年にニューヨークのソーホー地区にオープンした店舗は、本物のコレクター向けスニーカーやストリートウェアを求める男性にウケそうな、Appleストア風委託販売店という雰囲気を持っていた。
ローンチから間もなく、Stadium Goodsは”本物と認証済み”のスニーカーを扱うオンラインブランドへと進化を遂げ、アメリカのeBayから中国のT-mallや自社のオンラインマーケットプレイスまで、世界中にその名を広めている。同社はさらに、GOATのような新進気鋭のスニーカー専門マーケットプレイスにも在庫を供給している。
共同ファウンダーのJed StillerとJohn McPhetersが、小売店舗を素晴らしいオンラインストアに進化させていくというのはある意味予測できたことだ。StillerはStadium Goods設立前、2014年にGrouponに買収されたSwarm Mobileという小売分析企業に投資していた。またMcPhetersは、以前ビンテージ風スニーカーを扱う人気ショップFlight Clubのビジネス開発担当ディレクターを務めていた。
ふたりの才能が融合して生まれたStaduim Goodsは、次のアマゾンになるべく、この度460万ドルの資金調達を行った。Forerunner VenturesがリードインベスターとなったこのシリーズAには、The Chernin GroupやStadium Goodsのアドバイザーを務めるMark Cubanのほかにも、匿名希望の投資家が参加した。
Dollar Shave ClubやGlossier、Bonobosといった企業にも投資しているForerunner VenturesのファウンダーであるKirsten Greenによれば、投資家はStadium Goodsを単なるファッションのマーケットプレイスとしては見ていない。同社は例えば、小売向けのSaaSを開発・販売する企業へと成長する可能性も持っているのだ。しかしこの点に関しては深掘りしないでおこう。リセール市場自体の規模もバカにすることはできない。
Dun & Bradstreet傘下のFirst ResearchとNational Association of Resale Professionalsのデータによると、アンティークショップや慈善団体が経営する店舗を除いたリセール市場の年間売上は、アメリカだけで94億2000万ドルに達する。新品と中古のフットウェア市場を合わせて考えると、その市場規模はさらに大きくなる。NPD Groupの調査によれば、2015年のアメリカにおける新品のスポーツ用フットウェア市場の規模は172億ドルだったのだ。
「小売業界は今大きな変化のときを迎えていて、新たなリーダーが生まれたり既存のブランドが生まれ変わったりする可能性があります。Stadium Goodsのユニークな点は、世界中でスニーカーの売り主・買い主とのコネクションをもっているため、フットウェアのエコシステムで何が起きているかを知り尽くしているということです」とGreenは話す。
さらに彼女は、共同ファウンダーであるふたりの専門性のおかげで、Stadium Goodsがフットウェア販売で優位に立っていると考えている。「熱狂的なファンがいる分野では、顧客側・販売側のどちらの視点で考えても、信用に値する本物の人間が必要になってきます」
Stillerは今回の調達資金が、人員増強やマーケティング、広告キャンペーンのほか、新たな店舗やコレクター向けフットウェア・アパレルの認証や受け入れを行う施設の建設にあてられることになると話す。新しい店舗の場所については明らかになっていないが、スニーカーを探している人はニューヨークの店舗かStadiumGoods.comを訪れれば、45ドルのNike Dunk Low プレミアム SB QSから2万3000ドルのEminem Air Jordan 4レトロまでさまざまなスニーカーを購入することができる。
編集者注:記載されている価格は誤りではなく、2万3000ドルもするスニーカーは実在する。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)