TeslaのCEO兼ファウンダーであるElon Muskは、すぐに古くさくならないような車を買いたいと考えている人にこうアドバイスする。「他のメーカーの車を買ったほうがいい」
通称HW2を装備したTesla車に搭載されている新しいセンサー、コンピューター、パーツを、以前のモデルにも有料アップグレードという形で取り付けることを考えてくれないかというTwitter上での質問に対し、Muskは上記のように答えた。彼はさらに現行のモデルに搭載されたテクノロジーは、今後平均して1年から1年半の頻度で大幅に改良されることになると語った。
@dtweiseth Tesla will never stop innovating. People are buying the wrong car if they expect this. There will be major revs every 12 to 18 months.
— Elon Musk (@elonmusk) January 22, 2017
@elonmusk 現行モデルにAP2を追加するのにも8000ドル近くかかります。M3に力を入れていることもわかりますが、Teslaファンは改修用の組み立てラインの設置を求めています。
@dtweiseth Teslaは絶えずイノベーションを生み出そうとしています。もしも改修ラインを求めているならば、その人たちは買う車を間違っています。Teslaでは12〜18ヶ月ごとに大幅な改良が行われる予定です。
Teslaのアップデートの頻度は、GMやFord、トヨタといった従来の自動車メーカーに比べれば、かなりアグレッシブなものだと言える。通常あるモデルが発表されると、新しいオプションや細かな機能が追加されることはあっても、最大約5年間は大幅なアップデートは行われない。ましてや、TeslaのModel SとXがHW1からHW2へとアップデートしたように、”大幅な改良”が行われることはまずない。
Teslaオーナーの中には、この同社の戦略にいらだっている人もいるかもしれない。決して安くはないTesla車が、スマートフォンと同じくらいの頻度でアップデートされるというのは確かにもどかしいだろう。しかしこれは、もっと高いレベルのイノベーションを起こす上でTeslaがとった選択なのだとMuskは話す。
@dtweiseth If we applied resources to doing super complex retrofits, our pace of innovation would drop dramatically
— Elon Musk (@elonmusk) January 22, 2017
@dtweiseth もしも私たちが限られたリソースを使ってかなり複雑な改修を行うとすれば、Teslaのイノベーションのスピードは劇的に落ちてしまいます。
さらにMuskは、以前のモデルにHW2のキットを組み込むとなると、車をフレームまで解体して300種類以上のパーツを取り替えるという、極めて複雑な工程が必要になると言う。また彼は、既存モデルの改修にフォーカスすることが、新しいテクノロジーを生み出す上で障害になってしまうと付け加えた。
つまりTeslaはこれまで消費者が慣れ親しんできた自動車メーカーとは大きく違い、その違いは開発サイクルにまで及ぶということだ。長く使えるプロダクトは、ある意味では使っている人を過去に縛りつけてしまう。そしてMuskは、お金に見合った価値があると顧客に感じてもらうためだとしても、Teslaの動きを止めるようなことはしない。
私はTeslaが大手自動車メーカーと戦っていく上で、テック企業のようなスピード感を保つことが重要だと考えているため、Muskの今回の発言には安心している。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)