テク業界が“ビッグデータ”で騒ぎ始めてから数年経つが、VCのAccel Partnersによると、このブームはそう簡単に収まるものではなく、むしろ今後は、新しい段階に入っていくだろう、という。
そう主張するAccelは今夜(米国時間6/17)、Big Data Fund 2と名付けた総額1億ドルのファンド構築を完了した。額は同社の最初のビッグデータファンドと同額で、それは2011年の11月にやはり1億ドルで発足した。
この新ファンド構築を機にQlikViewのCTO Anthony DeightonとImpervaのCEO Shlomo KramerがBig Data Fund Advisory Council(顧問団)に加わる。Accelによれば両人は、ビッグデータ関連の投資先の発見調査など、このファンドにとっての“導きの灯火(ともしび)”になることが、期待されている。
ただし、同じくBig Dataという名前がついていても、今回のBig Data Fund 2は投資先のタイプが最初のビッグデータファンドとは異なる。AccelのパートナーJake Flomenbergによると、“これまでの数年間うちはもっぱら、ビッグデータの‘三つのV’…variety, volume, velocity(種類・量・速度)…に焦点を当ててきた。しかし、これから重要なのは第四のV、すなわちuser value(ユーザ価値)だ。そして、ここはまだ、VCにとっても未開拓の方向性なのだ”。というわけでBig Data Fund 2は、ビッグデータのエンドユーザアプリケーション分野に、どうやら注入されていくらしい。
Accelは、“ビッグデータの最後の1マイルを走るのは、データ駆動型ソフトウェア(data-driven software, DDS)を手がけるスタートアップたちだ”、と信じている。Flomenbergによれば、これらのスタートアップが可能となるのは、ビッグデータの第一波の連中が築いたインフラストラクチャ的技術とイノベーションがあるおかげだ。Accelの発表声明の中でFacebookのエンジニアリング担当VP Jay Parikh(彼もBig Data Fund Advisory Councilのメンバー)は、次のように説明している:
“ビッグデータの最後の総仕上げをするのは、作られるデータからユーザが何かの価値を得られるようにする、新しい種類のソフトウェアアプリケーションだ。今日の起業家たちは、過去数年間にわたってますます強力になってきた技術集積を利用してイノベーションを起こすことができる。そして、これまでになく個人化された価値の高いプロダクトとデータ分析体験を作りだしていく。”
Flombenbergが“第四のV”、DDSの例として挙げるのはRelateIQだ。ここは“次世代型関係マネージャ”と呼ばれるソフトウェアスタートアップで、Accelなどからのおよそ2900万ドルを獲得して先週、ステルスでローンチした。
Accelのこれまでのビッグデータ投資ポートフォリオには、Cloudera、Couchbase、Lookout、Nimble Storage、Opower、Prismatic、QlikView、Sumo Logic、Trifactaなどがいる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))