WeWorkの共同創立者アダム・ノイマン氏は巨額の借金返済のため資産売却か

アダム・ノイマン氏は、WeWorkの日常業務からは離れたかもしれないが、一部の銀行家にとっては、相変わらず同社の精神的なトップに留まっているようだ。

Business Insiderの新たな記事によると、ノイマン氏は、JPMorgan(JPモルガン)、UBS、Credit Suisse(クレディ・スイス)と協議して、WeWorkが株式公開を申請する前にノイマン氏が借り受けた5億ドル(約535億円)の融資の返済期限の変更を検討中だという。WeWorkS-1ファイリングを延期したため、株式を公に売却して融資を返済することができなくなった。そこでノイマン氏は、自らの財産の一部、または他の私財を、その融資に対する担保として差し出さなければならなくなる可能性があると、Business Insiderの情報筋の一人は述べている。

「期限は設定されていません」と、ノイマン氏の広報担当者は語ったという。

これまでのレポートによれば、ノイマン氏は長年にわたって多くの住居、および商用の不動産を取得してきたため、もしそうした状況になれば、手放せるものも多いとされている。

同氏が取得したとされる資産としては、1050万ドル(約11億2000万円)のグリニッジビレッジのタウンハウス、ニューヨーク州ウエストチェスターの農場、先週CEOを辞任する前に家族を退避させたと伝えられるハンプトンの自宅、さらにベイエリアにあるギター型の部屋を備えた2100万ドル(約22億4500万円)の1万3000平方フィート(約1208平方メートル)の住宅などがある。

以前のWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)のレポートによれば、ノイマン氏は投資家グループを通じていくつもの商用不動産を購入し、賃貸に出している。中にはWeWorkに貸している物件もあるという。

WeWorkとノイマン氏は、近年JPMorganと緊密な関係を築いてきた。NYTimes(ニューヨークタイムズ)が最近レポートしたところによれば、JPMorganは「値上がりした株を担保としてノイマン氏に個人的にお金を貸し、WeWorkには株式を提供して借金を引き受け、IPOに関するアドバイザーを務め、今や先行きの見えなくなってしまった株式公開のために、60億ドル(約6410億円)にもおよぶ資金の確保を請け負っていた」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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TechCrunch Japan

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